2019/09/05(木)

 連載「ポップミュージックと私」で、昨日はレディオヘッド『キッドA』、今日はプリンス『イマンシペイション』についての文章を書いた。プリンスの方の文章で最後に書いた文が少し気になっている。「私はプリンスの音楽性についてあまり説明しなかったが、それは多分説明するだけ無駄だろうということだ。聴けばわかるし、聴かないとわからない」と私は書いた。しかしこれは「私にはこれについて説明する能力がありません」と言っているようなものではないだろうか。

 大学一年生のころ受けたある授業で、先生が「物書きが『筆舌に尽くしがたい』という言葉を使うのは思考放棄。ダメ」と言っていたことを思い出す。もっともこの先生は地学の専門家で、文学については素人なのだから、そういう意見をいちいち真に受ける必要はないかもしれない。しかし「聴けばわかるし、聴かないとわからない」は多分思考放棄だ。いっそ書かない方が良かったかもしれない。あとで書き換える可能性がある。

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