2019/08/18(日)

 前にも書いたように、昔に比べると今の人は本を読まない。鑑賞するタイプの娯楽ということで言えば、漫画やアニメ、映画などの視覚的なもの方にどんどん人が流れていっている。それでは漫画やアニメや映画は小説の代わりになっているのか。部分的にはそうだが、部分的にはそうではないと思う。これら三つと小説は、出来事の記述の集まりである、すなわち物語を伝えるという点で共通しているが、メディアとして異なるものである以上異なる性質を持っているから、たとえ同じような内容を伝えようとしても受け手に与える影響はそれぞれで異なる、と考えるのが自然だろう。

 この三つの中では漫画は比較的小説に似ているから論じるのは後回しにする。アニメや映画のような映像作品と小説とはどのように異なっているか。時間の流れ方という視点で考えると、前にも書いたように時間の圧縮と伸長が映像では(基本的に)できないが小説ではできるというのが一つ。それから、映像は誰が見るかにかかわらず作り手の意図したペースで最初から最後まで時間が流れ続けるが、小説は読み手によって(あるいは読み手の頭の状態によっても)読まれるペースが異なるということが一つ。あとはやはり映像では想像の余地が少ないが小説では多いということに尽きる。いや、小説は想像の余地が多いというよりは想像しながらでないと読めない。しかし別に小説をたくさん読んだからといって想像力が鍛えられるとは限らないから、「今の人は小説を読まないから想像力が乏しい」などと言うことに意味はない。

 今この文章を読み返してみて、全然昨日の続きになっていないことに気が付いたが、今日は眠いのでここで書くのをやめる。

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