聴覚障がい者の努力
さて、これからが本題です。 現在、私は障がい者の就業支援の会社に勤務していますが、恥ずかしいことに、この会社に入るまで、正常な聴覚を保有する健常者は「話し言葉」と「書き言葉」の両方を出来るので、聴覚障がい者※1も「話し言葉」は出来ませんが、「書き言葉」は出来ると思っていました。
実際には聴覚障がい者のうち、生まれつき耳が不自由な方(聾者)には「書き言葉」がよく分からない、つまり日本語を読むのが困難、理解が十分でない方がいらっしゃいます。
それでは、生まれつき耳が不自由な方(聾者)はなぜ「書き言葉」が出来ないのでしょうか?
※1:生まれつき不自由な方(聾者)、聴覚が良くない方(難聴)、病気等で聴覚 を失った方(中途失聴者)、これらの方々を総称しています。
話を進める上で、ご両親についてですが、聴覚障がいの方、あるいは健常者の方もいらっしゃいます。ここでは、本人は生まれつき耳が不自由な聾者、ご両親も聾者のケースを考えてみます。
母親は音声を発することが出来ませんから、手話※2で「ママ」、「オッパイ」と伝えます。赤ちゃんはそれを見て、「ママ」、「オッパイ」を理解します。これは健常者と同じで、手話により様々なことを覚えていきます。ただ、私たちが使う「話し言葉」は「書き言葉」は殆ど1対1で結びついていますが、手話と「書き言葉」には大差があるそうで、聴覚障害のある子供が「書き言葉」を習得するのは、耳が聞こえる子供が「書き言葉」を習得するよりは何倍もの困難を伴うそうです。
※2:この手話が「言語」かどうか、学校で教えるのかも含め、世界的にもいろいろと 論争があったそうで、日本では音声言語と並ぶ言語として法的に認められた のはごく最近のことです。2011年(平成23年)7月29日、「言語」と規定され た改正障害者基本法案が参議院本会議で全会一致で可決、成立し、8月5日に 公布。これにより、日本で初めて手話の言語性を認める法律が出来ました。 尚、手話と言っても、手や指の形だけでなく、表情や動作も加わりますか ら、正確には手指動作と非手指動作を同時に使う視覚言語と言うそうです。
聾学校では幼稚園からは、「書き言葉」即ち「日本語」への対応を意図的につけるそうですが、英語を学ぶと同じように、意図的に計画的に学習をしないと出来ないようです。
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