第2話

夏休み、僕はひとりでおばあちゃんの家に行くことになった。

おばあちゃんの家は山の奥の方にある。

いつも住んでいる場所とは違って涼しくて静かで落ち着くいいところ。

でも虫がいることだけが問題だ。

本当に虫だけはやめてほしい。

虫さえいなければこの場所をもっと好きになってたのに。

最近忙しくて会えてなかったおばあちゃんに会える事もとても楽しみだ。

久しぶりにゆっくりと話したい。

僕はひとりっ子だから話し相手がいなくて時々寂しく感じるんだ。

だから、いつも僕の話を聞いてくれるおばあちゃんが好きなんだ。


おばあちゃんの家に着いた。

久しぶりのおばあちゃんの家、やっぱり落ち着くなぁ。

「おばあちゃん!久しぶり」

「久しぶり、よく来たね。見ないうちに大きくなったね。さあ、入って」


おばあちゃんは前と変わらずに僕の話を聞いてくれた。

久しぶりに話せて嬉しかった。

この日は、久しぶりにたくさん話したおかげで疲れて早く寝てしまった。

この日も変わらず扉の夢を見た。

この日の扉の数は3つ。

最近、扉の数が少ない事が多くなってきている気がする。

気のせいかな?


この日の夢は深くて暗くてでも綺麗な海の中をただ単に漂っているだけだった。


次の日もおばあちゃんとたくさん話した。

その日の夜、僕はおばあちゃんに自分の夢のことを話した。

すると、いつも優しいおばあちゃんの顔が見たことのない表情になった。

何故かどこか悲しげで、焦っているように見えた。

「おばあちゃん、どうしたの?」

「…その夢、いつから見てるの?」

いつからだっただろう…

もう1年になるのかなあ。

おばあちゃんにそのことを話した。

「そうか…、お前がその夢を見るなんて…」

「おばあちゃん、何か知ってるの?教えてほしんだけど。いい?」

少し間が空いて

「…ああ、知ってるとも。明日、話してあげるから、今日はもう寝なさい。くれぐれも選択は間違えないでね。おやすみ。」

そういうと、どこかへ行ってしまった。

どういうこと、と質問する前に。

選択を間違えるな、ってどういうことなのだろうか…

僕はその疑問を抱えたまま眠りについた。


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