第87話 いざ、ゴーカート場へ!!
「さ、今日はここで思いきり遊んでくわよ!!」
「なるほど・・・まあ、確かに凛子姉ちゃんが連れてきそうな場所だわ・・・。」
半笑いを浮かべながら、陽ちゃんはその場の看板を凝視していた。
そう、今回陽ちゃんを連れてきたのは、埼玉県羽生市にあるゴーカートサーキット場「クイック羽生」だ。 羽生インターからほど近いという抜群の立地の良さに加え、手軽な料金設定と無料で借りられる備品が充実、手ぶらで遊びに来れるうえ、テクニカルで走りごたえのあるコース設定が大人気のサーキット場だ。ちなみにレンタルカート以外にも、マイカートやバイクを持ち込んで走行することも可能で、正に乗り物好きなら誰もが一日中夢中になってしまうような場所なのだ。
私も学生時代は自動車部のみんなでよく来て、レンタルカートを借りて練習したり、タイムアタック大会をしたりと、語りつくせないほどの思い出が詰まった地でもある。そんな場所で、今日は陽ちゃんに乗り物を操る楽しさを体験してもらおうと、連れてきた次第だ。
「どうりで凛子姉ちゃん、やたらウキウキしてたし、メットやらシューズやら揃えてるし、下にツナギみたいの着てたのか・・・」
「ツナギじゃなくてレーシングスーツ!! やっぱこういうのは形から入らなきゃ!!」
「なんだそりゃ・・・まあ、いいけどさ。」
二人でそんな会話を交わしながら、店内へと入っていった。
店内に入り、受付に行く。二人分のフリーパスを購入して受付で諸々の説明を受けた後、掛け捨ての保険、レンタルヘルメットを使う陽ちゃん分フェイスマスク代を払った後、久しぶりに来たのでざっくりとしたコース、ゴーカートの紹介を受けた。
そして、いよいよ走行に向けての準備に入る。
今回私たち二人が乗るのは大人用の270㏄エンジン搭載のカート。最高時速60キロを誇りつつも、誰でも乗りやすいカートだ。
レンタルヘルメット、グローブを付けた陽ちゃんはどうやらまだ緊張していたようで、カートの前に棒立ちの状態で、ぼおっとしていた。
すかさず私は、声を掛ける。
「そーんなガチガチになっちゃって、大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ・・・ただちょっと、緊張してるだけで・・・。」
「別にそんな緊張することないって! まずは一周、ゴーカートに自己紹介するつもりで、ゆっくりと走ってごらん? 私も後ろに付いてるからさ。」
「自己・・・・紹介?」
ゆっくりと陽ちゃんは首を傾げる。
「そ、自己紹介。お互い、知らないところだらけなんだからさ、先ずは挙動とか運転してる感じとか、色々掴むとこからやってごらん? で、ちょっとずつ慣れてきたらペースアップすればいいしさ。」
「・・・・ん、わかった。なんかわかんないけどやってみる。」
ゆっくりとそう告げると、フェイスマスクを付けて、ヘルメットを被り、陽ちゃんはゴーカートに乗り込む。
よし、っと少し安心した後、私もメットを被ってゴーカートに乗り込む。
いよいよ、走行開始の時が近づいてきた。
続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます