第5話 いつメンでドライブ!?前編

この小説に登場する人物名、地名、団体名は実際に存在するものと一切関係ありません。


法定速度を守り、安全運転を心がけましょう。



先日の一件もあって、何だかんだで知り合いの一人になったユリ。 この子もいつもつるむメンツの一人になった。


それぞれ趣向も性格も違う車に乗っているのだけれど、同じ車好きという共通項があったから集まっても話題には困らなかった。 よくどこかのパーキングやファミレスで世間話をしたり、モータースポーツの話をしたり、新しく出た新車の話をしたり・・・。 充実した日々を過ごしていた。 


そしてある金曜日の晩も、オフが重なった3人は都内にある某居酒屋に集まってお酒を飲みながら駄弁っていた。(もちろん、移動手段は車ではなく電車。)


話題は最近仕様変更を行った私のパジェロエボの事になった。


「ねえねえ、最近凛子ちゃんのパジェロエボなんか弄ったとか言ってたじゃん??どこ弄ったの?」


「ああ~、そういえば言ってなかったっけ。 まあ、脚と吸排気系、あとフルバケ入れたくらいよ~。ちょっとまたダート競技やってみようかなと思ってね。」


え、競技なんてやってたの?と言われたので、


「前のパジェロミニの時にやっててね。 まあでも、ここ一年くらいやってなかったし、せっかくパジェロエボに乗り換えたしまた復帰しようと思ってね。」


と言った。


するとユリが、顔をグイっと出してきて私の肩に腕を回すと


「ねえ、今度あんたの車の横に乗ってみたいな~ この間一緒に走ってからあんたの運転技術が気になるし。 それに、パジェロみたいな車乗ったことないから、どんな車か気になるし。」


「あ、あたしも気になるな~。あれだけのキレッキレな走りこの間見せつけられたばかりだし! 来週の土曜とかどう? ちょうどスケジュール空いてるし!」


なんて莉緒も交じって言ってきた。 ユリは土曜ならまあいいよ、と言った。


「う~ん・・・まあ、一応4人乗れるしいいけど、狭いよパジェロ。 私の3ドアだし。」


「いいよ~別に。 じゃあ、そうとなれば決まりね。 場所は何処にする? あんたの好きなとこでいいよ。」


「そうねえ・・関越道路で群馬の赤城インターで降りて、赤城道路行ってから、その後南面道路通って大胡のぐりーんふらわー牧場でソフトクリーム食べて、その後R122通って日光観光して帰るとかどう?」


「別にいいけど・・・。でもなんで群馬なの? 箱根とかでもよくない?」


と、ユリが行ってきた。 本当のことを言うとぐりーんふらわー牧場のソフトクリームを食べたいのと、大間々にある岡直三郎商店の醤油を買っていきたいのと、日光の鬼平というお店の水羊羹を買っていきたいという何とも食いしん坊すぎる内容なので、恥ずかしくて言い出せず、捻りに捻って、「ま、な、なんというか群馬は故郷だし?無性に行きたくなったというか・・・ドライブ路としてもいいしね。」と言った。


ふうん、と不思議そうな顔を二人は浮かべていたが、なんとか納得はしてもらえた(?)らしい。


その後飲みはエスカレートし、特に莉緒はその華奢な身体からは想像できないほどハイペースでハイボールやワインを豪快に飲みまくっていた。 あなた内科医なのにそんなんでいいのかと思ってしまったのはここだけの話。


結局その後、夜が明けるまで飲み会は続き流れ解散となった。



私はほどほどに飲んでいたので、それほど酔ってはいなかったが、莉緒は飲みに飲んでいたので、案の定ベロンベロンになっていて、一人で返すのが危なかったので、自宅がほど近いユリが介抱しながら帰ったらしい。


帰り道、凛子は最寄り駅から歩きながら、そういえば誰かを複数人車に乗せてドライブに行くなんて久しぶりだよな~、なんて考えていた。


せっかくの機会だし、新しくできた仲間と楽しんでこよう、それも色々思い出深い赤城道路にも行くことだし。 次の週末がとても楽しみだ。



続く。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る