第9話 カムバック令嬢
第一話と第二話を大幅に加筆修正しましまた!
"球"が出てきますが詳細は第一話の方でされてます。ざっくり言えばなんか悪霊がついてて主人公の家の周りに住み着いた鉄の球です。それだけですw
良ければ第一話、第二話を先にご覧ください!!
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「んーん、、、朝か??」
王城での一件で疲れきってしまった俺はどうやら
家に帰ってきた途端、リビングのソファで寝てしまってたようだ。まぁかなりハードな事件だったしな、、、。
マリアが居なくなってまたネーコと"球"と俺の
生活に戻っちまったなぁ、、、。
思い返せば寂しいが、マリアにはマリアの人生があって、アイツは人の上に立つべき人間なんだ。こんな所には居られねぇーよな。朝飯どうしようか、、。
「もうお昼ですわよ」
そうか、もう昼か。どうやら随分と寝てしまってた様だな。兵士と戦い王太子を殴って来たんだ。処刑にならなかったのが奇跡だぜ。さて、昼飯は何にしようかな?
「
起き抜けから串焼きかぁ、、、いや、重いって。
疲れてる体にはキツいって、、、。フレッシュなサラダとヨーグルトとフルーツで良いじゃない??
「意識の高い系のお年頃令嬢みたいな事を言うんじゃありませんわ!!しのごの言わずに行きますわよ!私の舌はもう串焼きの舌ですの!!」
かぁーーーー!!相変わらず強引すぎだろ??
こういう所は本当に身分の高い貴族様って感じだぜ!!
「しゃーねぇか、、。飯は串焼きにするか。でもな、野菜を間に挟むからな!!んで、マリア?なんでウチにいるんだ??」
「なんでとは心外ですわ。私ちゃんと初めに言ったはずですわよ??ここを拠点にすると」
「そういう事じゃねーよ!!魅了が解けて、皆んな目を覚まして追放が無しになったんだろ??
いいのかこんな所にいて??マリアにはもっと相応しい場所があるんじゃないのか??」
起きた瞬間は正直夢かと思いスルーしていたが、
王都に居るはずのマリアが当たり前のように家にいた。その存在に嬉しいと思ってしまったのは秘密にしよう。
「私の居場所は私で決めますわ。と言いたい所ですけど良くも悪くもやりすぎてしまいましたわ。大半のことは女王様が収めてくれましたが、王に王太子にお父様。魅了に掛かってしまった軟弱者達を全員鉄拳制裁でまたボコボコにしてしまいまして、しばらく謹慎をくらいましたの」
そう笑いながら語るマリアを見てつくづく無茶苦茶な女だなと思ってしまった。加減を知らないのか??まぁでもマリアなりに頑張ってたみたいだし、褒めてやるか!!
「ボコボコにしたか、、、。マリアらしくていいんじゃないか?きっと殴られた全員また1からやり直すだろ。お前はすごい令嬢だよ、No.1だ」
「あら??てっきり"この乱暴ドリルが!そのドリルで一生を賭けて王太子を小突き回せ!"と言うかと思いましたが、、、意外に普通ですわね」
俺の素直な言葉に少し驚いた様子で「何だか張り合いがありませんわね」とマリアはつまらなそうにしていた。さてはこの公爵令嬢、俺とプロレスしたくて戻ってきやがったな、、、。返してよ!
たまには誉めてやるかと思ったその優しさを返してよ!ちくしょう!受けて立つぜその挑戦!!
「お前の中で俺はどんな人間なんだよ!!感性どうなってんだ!?大事な人間性を全部そのドリルに吸われたんだろ!?この妖怪ドリル令嬢!!」
「!?」
「かぁー!!公爵令嬢兼聖女なら拳じゃなくて説法で改心させてみろ!!その
「ムキー!!言わせておけばスラム育ちが調子に乗りすぎですわ!私は今は正真正銘の公爵令嬢!!不敬ですわ!不快ですわ!ギルティですわ!!」
そうやってお決まりの
オークをしばいて捌いて串刺して。
この日、皆んなで食べた串焼きは、楽しさが胃もたれして忘れなれないだろうなってくらい美味かった。
最高の串焼きを食べ終わり、俺は川へ王城襲撃のせいで溜まっていた洗濯にしに来た。マリアも川を眺めについてきてくれた。うん、手伝え居候。
川はデカくて長くて深い。洗濯にはもってこいの川だ。この川をずっと登っていけばプレス帝国と言う国にも行けるそうな。
「しっかり汚れや、落ちてくれ〜♪」
のんびり歌いながら洗濯をしていると川を
眺めるのに飽きたのかマリアが話しかけてきた。
「そういえばこの辺一帯、正式に私の領地になりしましたの」
「ん?」
「お父様が今回の件で責任をとって家督を私に譲渡してきまして。女王様に今回の件の褒美としてここら一体の土地を貰い受けたのです。雇われだった人身売買領主も成敗しましたし。元の所有者の子爵も別の土地との交換で快く譲ってくれましたわ。あなた子爵とお知り合いだったのですね?」
「あー昔ちょっとした縁でな。住処のあの家も貴族様から貰ったんだ。あの人子爵だったのか、、、」
「つまりどう言うことかわかりまして?」
「、、、、、??」
な、なんだ??何が言いたいんだマリアさん?!
ニヤニヤとするマリアに俺の警戒ポイントが一気にマックスまで高まる。絶対ろくでも無いこと言うぞこいつ!
「つまりこの土地は私の物。私の土地にあるのだからあの家も私の物。結論!!居候はあなたですわ!!」
マリアは腰に手を当て、無駄に様になるポーズを決めてドヤ顔でトンデモ論を吹っかけてきやがった!!
「ふざけんな!!そんな暴論通用するか!!スラムのガキ大将みたいなカツアゲするのやめろ!!」
「オーホッホッホ!これが正しい権力の使い方ですわ!!ひれ伏すがよいですわ!オーホッホッホ!」
「ぐぬぬぬ、、、ゆ、許せん!あの人身売買領主とやり口同じだぞ!!聖女でありながらその悪行!!正義の心はどこにやったんだ!!」
「私は聖女であり政治も行う貴族ですの。
清濁合わせ飲む。この言葉ご存じ?
もはや言葉はいりませんわ!!」
「ふざけんな!!勝負じゃ!!覚悟しろ!!」
洗濯そっちのけでマリアと
武術全力のマリアに勝てるわけないだろ!!
「オーホッホッホ!オーホッホッホ!」
「や、やめろ!やめてぇ!!」
マリアの楽しそうな笑い声がその時ばかりは
悪魔の声に聞こえた。マリアはガシッと俺を掴み
「お覚悟よろしくて?」
「無理!無理!無理!」
マリアはそう言うと川に思いっきり投げ飛ばした。
まだ覚悟完了なんて言ってないのに!!バカッ!!
「ぐおぁぁぁぁー!」
段々と水面が近づく恐怖に思わず目を閉じてしまう。マリア絶対泣かせる!!そして水面に激突する直前
「な、なんなのだ!?」
聞いた事のない男の声が聞こえた気がした。
ばしゃーーーん!!
勢いよく川に放り込まれたが意外にもダメージは少なかった。と言うよりは何かが下敷きになり俺を受け止めてくれた様な感覚がした。
さっきの声、なんだったんだ??と思い水の中で身を翻し、後ろを確認するとプカーとやたら豪華な服を見に纏った青年が白目を向いて浮いていた。
、、、、、。
やばい、めっちゃ無視したい。
マリアの時もこのパターンやりましたやん?
でもあの声がこの人なら俺のせいで気絶しちゃったんだろうな、、、。
いやマリアのせいでもあるんだけど。うーん、、、このままじゃ溺れちゃうし。
しょうがない、拾って帰るか!!
気絶している青年を背中に担ぎ、岸まで泳ぐ。
マリアにはまた変なもの拾いましたわね?と言われたが半分以上お前のせいだからな!乱暴ドリル!!
と、きつく言っておいた。
案の定「ムキーッ」となったが今は気絶している彼が最優先だ。
頼むから死ぬとかしないでくれよ!!
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どうもナルスンです!!ここまで読んで頂きありがとうございます!皆さんのコメントや応援があり第1章の追放令嬢編がおわりました!!
ノリと勢いだけで書いていた本作ですが、4話目くらいから自然と力も入りいい作品になって来たなと思います!!
そしてコメントでアドバイス頂きまして、前書きにも書きましたが、第一話と第二話を大幅に加筆修正しました!!この話で急に"球"が出てきて球?となった方は申し訳ないのですが、もう一度だけ第一話と第二話をご覧いただけると分かるかなとおもいます。
自分の中でかなり成長を感じられる小説になってきましたので、第二章の亡命皇子編もお楽しみにしてください!!
よければ、励みになりますのでハートやら星やらレビューやらよろしくお願いします!!
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