第6話 令嬢無双





マリアのお陰で王都にドナドナされてしまい言い訳の時間のもなく牢屋へGO!!

もうちょっと優しくして!!小市民なめんな!!



「ここで大人しくしておけ!!」



「言われんでも同じくしとくわ!!踏んだり蹴ったりだわホント!!」



マリアのせいで最近ホント暇しないぜ!!

全然ありがたくねぇけどな!!



「貴様!!舐めた口を聞くなよ!!」



「アッ!やめて!乱暴しないで!!」



「女みたいな気色の悪いこえだすな!!」



少し調子にのってボコボコにされました。

この感覚久々に味わったなぁ。ご飯とか出るのかなぁ、、、。死刑とかないよね??

そんなこと一晩ほど考えに考え、考えても仕方ないので寝る事にした。正気を保つ為には現実逃避も

必要なのです。おやすみ








そして朝になる頃牢屋の壁が突如として大爆発した。



ドガぁぁぁぁン



うぁぁぁぁぁあ!?なに!?死ぬ!?

意識外からの衝撃にプチパニックを起こしていると砂埃からこの騒動の主犯が現れた。



「生きてますの!!このマリアがあなたを助けに来ましたわよ!!」



現れたのは公爵家の誇りドリルを引っ提げたマリアだった。こいつぅ服まで貴族の礼服ちょっと良いヤツのやつに着替えて来やがって、、、。俺が間違って殺されてたらどうするつもりだったんだ。てか今殺されかけたわ、マリアに



「おぉ。マリア生きてるよ。今死にかけたけどな!!」



「小さなことで嫌味を言っていては大成しませんことよ!!しかしあなたそんな顔でしたっけ??何というかパッとしない顔がさらに酷くなってますわよ?」



「てめぇ!ゆるさねぇ!!お前のせいでボコボコにされたんじゃい!!」



そんな何時も通りのやり取りコントをしていると騒ぎを聞きつけ衛兵達が駆けつけてきた。そりゃこれだけ騒げば兵士も来るよね!!



「貴様ら!!なにをしている!!」



「隊長!!あれはマリア嬢では!?」



「あの髪型、、。間違いない!!公爵家のマリアだ!!皆のもの捉えよ!!国家反逆者だ!!捕らえよ!!捕らえよ!!!」



その掛け声と共に兵士達が一斉に襲いかかってきた。やばい!!武器とか持ってないんですけど、

死んじゃうんですけど!!てかマリアが髪型で判断されててウケるw



「あなたはわたくしの後ろにお隠れなさい!!ここは私が公爵家の誇りにかけてあなたを守りますわ!

さぁ!かかってきなさい!!私はいつ何時、誰の挑戦でも受けてたちますわ!!」







きゅ、キューーーン!!







いや違うだろ。キュンじゃないよ。マリアのせいでこんな事になってるんだからマッチポンプだわ!!



「マリア気をつけろ!!油断するとやられるぞ!」



気を遣ってそう言ったものの必要なかった。目の前に広がるのは美人にボコボコにされる兵士の姿。

宙を巻い、地面に叩き伏せられ壁にめり込む。蹂躙だ。これは蹂躙だ。地獄はここにあったんだ。



「この国家反逆者が!!」



「皆、目を覚ますのです!!王太子殿下は王は今、錯乱なさっている。誰かが正さねばなりません。正義は私にあり!!皆、正義の目を覚ますのです!!」



「うぎゃー」 「あぎゃー」 「ひでぶ」



荒ぶるドリルが戦場を支配する。

凄いなぁ、目を覚ませと言いながら意識奪うとか蛮族もびっくりだよ。さすが俺たちのマリアだぜ!!



しばらくして兵士達を全員寝かせたマリアは息一つ立てることなく、今まで見たことないのない気品、貴族のオーラの様なものを出しこちらに向いた。



「あなたを巻き込んだこと、本当に申し訳ありませんでしたわ。このような事になると予想できたのに、貴族のしがらみから抜けてあの街で、、、

あの家で暮らしているうちにこの様な生活も悪くないと思ってしまいましたの」



珍しくマリアは申し訳なさそうにしていた。

あの無駄に偉そうで自信満々じゃないなんてらしくない。



「もうこのままでも良いかと思っていましたが、兵が私を捕まえにきてしまった。そうしてこんな事に、、、。私はやり遂げると誓いました。3ヶ月前に中途半端に終わらせてしまったことを」



こいつが何をしでかしたか解らないが、多分悪いことはしてないだろ。3ヶ月の付き合いだが、バカで正直で不器用だけどマリアはいい奴だから。



「謝んな。らしくねーぞ!そこは私に助けてもらってラッキーですわね!!感謝するとよろしくてよ!!とか言えよ」



そうだ。おれはあの何の根拠もないくせに胸をはるマリアが気に入ってるんだ。



「あなたって人は、、、ありがとう。私は今からこの問題を片付けにいくつもりです。出来ればあなたにも着いてきて欲しいですわ」



マリアにお願いなんてされるとはな、、、。

何だかむず痒い。



「そうか。まぁなんだ、、。牢屋に入れられてボコボコにされたが、マリアを拾ったのは俺だからな。乗りかかった船だ!!俺も一言くらい文句言ってやるぜ!!」



「ふふふっ。さすが妙な所でキモが大きい方ですね。感謝しますわ。あなたと一緒ならやり遂げる事ができるでしょう私たちベストコンビですもの」



「あぁそうだな!初耳だけど俺たちベストコンビだもんな!!」



嬉しそうなマリアを見て俺も気合いがはいる。どこで何に決着をつけるのか知らないが見届けよう。マリアが来て欲しいなんて言うのはそんな無いだろうしな!!乗りかかった船だしな!!



「ちなみに何処にいってなにするの!?」



一応確認を込めて軽い気持ちで質問してみた。多分実家かな??ちょっかいかけるな的な??



「王城へ行ってこの件を手引きした王と王太子殿下、新聖女をボコボコにして頭を女王にすげ替えますわ!!プチクーデターですわ!!」



唐突な展開に頭真っ白になりました。

そっかぁ、、、クーデターかぁ。

凄いなぁ王様から女王様の時代かぁ。

うーん、、、



「やっぱ俺は行かねぇ!!」



俺!! お家帰る!!!

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