第28話 (レン)
燃える瓦礫の下から、ミライが怪物と触れ合うのをただ見ている。
ハラハラする。歯がゆいけれど、どうすることもできない。腰の上に乗っている太い材木が、激しく燃えている。
「おい、生きてるか?」
ジンが隙間からこっちを見ている。
「ああ、生きてるよ。巻き込んで悪かったね」
口を開くと、熱い空気が喉に入ってくる。
「まったくだ」
「僕、これから死ぬと思うんだけど、よかったら懲りずにミライと仲良くしてあげてくれないかな」
「ミライはお前も助けようとすると思うけど」
「やめなさい。絶対に間に合わない。二人でクリーチャーを連れて逃げるんだ」
穏やかな気分だ。ようやく終われる。
僕が死んだら、ミライは泣いてくれるだろうか。一号には「ざまあみろ」って言われるんだろうな。
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