第18話 救援の電話とアレス総団長

2人が地下室を出たのを確認し1人残されたリイエンは

爆発により崩壊した地下室を確認するように1週見渡す。

「さて、ノウツ君の怪我の方は

クロナさんに任せておけば大丈夫でしょう」

爆風により吹き飛んだ椅子と机に近づき元の位置に戻すと

座りながら最初に持ってきていた紙とペンを手にし

デット・リングとピエロの話した情報を書き加え、

別の紙にピエロとデットリング両者の血器について詳しく書き連ねる。

情報を書き終えるとペンを机に置き肘をついたまま手を組み次の策を考え込む

(マリオネットとビーストあの両名を相手にレイン君はどこまで戦えるのか。

見て見たいのは山々ですが今レイン君をみすみす失ってしまっては、

我々白銀騎士団にとって大きな損害です)

リイエンは深く考え込む。

考えがまとまると、ゆっくりと立ち上がり自室の

副団長室に向い速足で戻っていく。


地下室にて、リイエンの考えがまとまるまでにかかった時間はわずか30秒

そのわずかな時間で先手を打たれた打開策を考えついた指揮官としての

彼の頭の回転の速さと行動力は白銀騎士団が数ある騎士団の中でも

最上位の強さであり続ける一つであると言える。


副団長室に付くと、電話を手に取りある場所へと電話を掛けた。

「お忙しいところ申し訳ありません。

レオ・アレス総団長でしょうか?」

電話に出た若い女性の声は戸惑いながら返す

「あ・・・あの申し訳ありませんが、どちら様でしょうか・・・?

も・・・申し訳ございませんがアレス総団長は今お取込み中

・・・なのですが」

「失礼いたしました。

彼にリイエン・ラースから大至急の連絡だと伝えてはくれませんか?」

「しょ・・・少々お待ちを。アレス総団長

リイエン・ラースさんから至急のお電話ですが」

「何っ!?俺の通信機にすぐ繋げろ!!」

電話先の会話が筒抜けの中しばらくすると、

爆発音に近い銃声の音と共に太い声の男が息を切らしながら電話に出た。

「待たせてすまない。リイエン副団長!

・・・まさか杭師から直々に連絡が来るとはっ!」

電話の向こうではまたもや銃声が轟く

「・・・で直接電話なんて、どんな用件で?」

リイエンは申し訳なさそうに電話の相手に聞く

「すいません。もしかして今お取込み中でしたか?」

「まぁ・・・なんだ、今ちょうど戦闘中なんだが

すぐに片付く待っていてくれ!!」

電話先の男の雄たけびと地響きのような銃声と共に

断末魔のような声が電話に響く。

息を切らし、戦闘が終わったことを伝える

「ふぅ、やっと終わったか。

いいか!残りの残党は、お前達にまかせるぞ」

「相変わらずお忙しいようですね。アレス総団長」

太い声で大笑いしながら電話先の男は答える

「やめてくれ、俺なんかよりよっぽどあんたの方が忙しいはずだ。

で?俺に直接連絡とは急用と見える、用件は一体なんです?」

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