第14話 対決 ノウツとデットリング Ⅱ

デッドリングは右足に突き刺さった銀の杭を

軽々と引き抜きノウツの目の前に投げ捨て大声で笑う

「クッハハ!クッハハハ!!

まさかこんな軟な杭で俺を殺そうとしたってのか?

よくもまぁ足掻くもんだ、よく見ろ!

俺に攻撃したところで傷は回復するが小僧、

貴様の左腕はもう使い物にならないだろう。

これが吸血鬼と劣等種である人間の違いだ!!」

ノウツは大声で笑うデッドリングの話を聞きながら、

負傷した左腕を見つめる。

左腕は無残にも皮膚を削られ一部肉と骨が見えていた

(クッソ!血が止まんねぇし痛すぎて感覚が無くなってきやがった。

早く止血しねぇと・・・)

破けた白衣の袖を引き裂き左腕の止血をすると

ふらつきながらもゆっくりと立ち上がった

「・・・劣等種ねぇ、言ってろ!クソ吸血鬼!!

俺は何も罪のない人を快楽のために殺す

お前みたいなクソ吸血鬼を絶対に許さない」

ノウツは血の染み付いた白衣の内側から

鋭く研がれ様々な美しい宝石の装飾に彩られた銀のダガーと

大型の折りたたまれた鉈を取り出し左右の手で持った。

(こいつを使うとはさすがに思ってもみなかったぜ)

鋭く研がれた銀のダガーを止血した左手に持つと、

取れない様白衣の切れ端で固く固定する

「・・・あれは、まさか!!」

デッドリングは銀のダガーを見た瞬間血塗られたメイクの

上からでも分る程に顔が青ざめ身震いしながら大声を上げ問いかけた

「何故だ!!・・・なぜ貴様のような小僧がそんな物を持っている!!」

「なんだよ?クソ吸血鬼こいつを知ってんのか?」

左手に持った美しく装飾された銀のダガーを

見せびらかすようにしながら前に突きだした。

《エメルテリアの空間短剣》

「当たり前だ。まさかそんな忌まわしく汚らわしい物を見ることになるとはな。

・・・それは俺達吸血鬼を殺すために作られた物だ」

「あぁそうさこいつは貴様ら吸血鬼を殺すのに打って付けの代物だ。

俺もとっておきを出したんだ、もう終わりにさせてもらうぜ?」

(って言ったのはいいが、

こっちも左腕の出血が多すぎて立ってるだけでも厳しいけどな。

でも3つの条件は整った後は実行するだけだ)

「いいだろう、かかって来い!!

その手に持った汚らわしい短剣ごと貴様の体を削り切ってやる!!」

再び向かい合う2人。

最初に向かい合った時とは違い両者共互いの手の内を見せあった状態の再戦。

デットリングの前には2つの赤い刃が高速に回転し

地面を削りながら攻撃の合図を待ち待機する。

一方ノウツは右手に持った大型の折りたたまれた鉈を大きく横に振り

刃を出すと腕を1週大きく回し地面に叩きつけ攻撃の態勢に入る

「じゃぁ行くぜクソ吸血鬼いい加減くたばりな!!!」

ノウツは大きく叫びながら全力でデットリングの方へと駆け抜ける。

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