第78話

「まぁどちらにしろ。ここで残りの人生を過ごすつもりという訳でないのなら、ここから出てお日様の元、吸血鬼なら月明かりですか?にでるしかないと思います。この三人が騒がなければ悪いようにはならないと思いますし」

 三バカ大将の方を見てVはそう言った。

 こいつらはある意味自業自得。文句を言うようなら黙らせるしかない。

「ないです」

「むしろ取材させてください。記事にします」

「うちのお母さんこういうラブロマンスすきなんで来ませんか。当分は泊めてくれると思いますよ」

三人はどう見ても反省している感じではないが、まぁ仕方ないか、とVはあきれた。


「出れた!!」

「やったよ!」

「帰ろう!」

吸血鬼がまた魔法をかけて、三人と二人を部屋の外に出した。

「お前らうろちょろするなよ。迷子になってもこまる」

「どっちでしたっけ?」

 広大で真っ暗な迷宮のような墓地。二人も気を付けなければ迷ってしまう。

「こっちよ。着いてきて」

 エヴァはそう言って五人を先導する。


 5人と1人が連れ立って歩いて行った先には、独特なつくりの階段があった。

 階段、とは言っても人が一人入れるかという細い道と急な角度を永遠と登っていく通路。

「こんな所来た覚えないぞ?」

「そう?入口はいくつもあるみたいなのよ。だからここからも出ることが出来るわ。ここがあそこからは一番近いと思う」

 確かに地上につながってるのか、上へと続いている。

「ここまで来て嘘はつかないわよ」

「とりあえず行ってみましょうよ」

 そう言って登っていく三人。

「まてって、俺らが先に行くから」

 そう言って一旦三人を下げ、ドーリ、Vが前、三人、そして最後に吸血鬼。

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