第69話

「それで、あなた達はだれを探しているの」

「学生です。学生。聖騎士団みたいな厳つい恰好をしてる若い女三人」

「聖騎士団」

 女の雰囲気が変わった。

「聖騎士団みたいな恰好、です。中身は関係ないただの学生」

「所謂お転婆娘と言う奴だが3日ほど家に帰ってない。なんで両親や先生が心配してるが、どうもここに忍び込んだらしい。でこれから首都の騎士団も探しにくるが、俺たちは先遣隊ってやつで」

「それは」

 そう言って吸血鬼は特徴をあげた。

「みたいな娘?三人とも見た目はそっくりで」

「えぇ、そうです。知ってますか」

「まぁ、知ってるわね。ついてきて」

 そう言って歩き始める金髪の女。

「暗くないですか?」

「大丈夫よ。あなた達とは違う」

 そう言って女は暗闇の中を前に進んでいく。

しかしこちらは人間、松明替わりの棒1本じゃこの闇は怖い。仕方ないのでとりあえずVはドーリーの剣を光らせた。

「一応役にたったな」

とはドーリーのボヤキ。


 吸血鬼が二人を連れて行った先は一番最奥。

 重厚なつくりの扉。よくわからない魔法。

「なにここ?」

「私の家、ではないわね。説明は難しいの」

 その扉を開けずに女は部屋の中に。

「すごいな」

 ドーリーは素直に驚き、そうVに賛同を求めた。

「すごいですね。どうなってるんでしょうか?」

 扉を開けるわけでもなく、そこに吸い込まれるように消えた女。人間ができる技ではない。

 二人は人間だ。なので扉を開けようとするが

「封印されてる。工具がなきゃ無理だ」

 ドーリーは取っ手を探すが見つからない。よく見ると扉の形だけは残るが、あとから開けられないように厳重に封印されている。

「魔法の痕跡もあります。相当、というか何がどうなってるのかよくわからないレベルの奴ですよ。どう解除したんだか。というかここ、地下墓地なんでしょうか?古代のモンスターが出てきても驚かない気分になってきましたよ」

 高度な魔法の山。本格的な武器。謎の女。

 そして厳重に封印された部屋。

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