第67話

 引き続き一番大きな道を通っていく二人だが

「随分と奥に来たな」

「もうそろそろ何か痕跡があってもいいと思うんですが」

 それでもまだ見つからない三人組。

 周りの作りがどんどん素朴、そして剛健な石造りになっていく。所々に変わった模様。

「これ、魔法がかかってますよ。しかも相当高度な奴です」

 Vはそう言って床を触る。

 Vの魔法であかりがあるとは言え、うす暗い。地下に下りているのか上がっているのかもわからなくなる。


「気づいたか?部屋の数が少なくなってる」

「えぇ」

 そして今まで廊下沿いにあった部屋、または霊廟の数が少なくなっている。

「用途が変わった」

「貴族様用ってことですかね」

 部屋が少ないという事は大きいということだ。という単純な考えでVはそう言ったが

「貴族は手前だろ。穴の奥じゃ不便だ」

とドーリーに返される。

「じゃぁ従業員用でしょうか。つまり修道会関係者の墓」

「どうも違うみたいだぜ」

 ドーリーが近くの部屋にあかりを差し込んで中を確認する。


 そこにあったのは軽量の鎧、長い刀剣と短い刃物、腐っている木、何とか形を保っている槍。


「杖ですね。これ」

 湿気で腐っている木片を見てドーリーはそう判断する。

 触りたくもない状態になっているためだ。

「この武器の山。やっぱり騎士団の基地かなんかなのか。でもかなり放置されているしな」

 さび付いた鎧や刀剣を見てドーリーはそう判断する。

「聖騎士団の詰め所じゃないですか?騎士団が墓場に基地を併設する必要はないでしょう」

「だとしたら相当本格的な騎士団だったんだな。兵隊が揃えば戦争ができるぞ」

 中で山積みになっていた剣の中から一本、まだ比較的さび付いていない感じの物を探してドーリーは装備。

「人探しの役に立ちます?」

「ないよりはマシだろ。さび付いて鞘から抜けねぇけど」

「やめときなさいよ。汚らしい」


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