第61話

「下水道?」

 首都は住人が非常に多いので比較的下水道が整備されている。

 ただ古い設備と新しい設備、廃止された設備と新築された設備、人が余裕で通れる大きな場所からネズミくらいしか通れない場所まで乱立しており、さながら迷宮状態。モンスターもいるので、下水道の掃除や管理は冒険者に回されることが多い仕事の一つ。

「あの新聞さ。学園地下の迷宮ダンジョン。そこに住まうモンスターだっけ」

「なんかそんな感じでしたね」

「あの連中、いい加減な記事を書くにも一応現場を見ようって精神はあるようじゃないか。下調べらしきのメモもあったし、俺達をネタになにか書こうってときも見に来てた。首都で地下のダンジョンって言えばやっぱ下水道だろ。あそこにそんなすごいモンスターは居ねぇが、そこはインチキ記事だし」

「でも下水道探しに制服で行きます?汚れますよ」

 Vは意見を述べる。

 下水道整備に関わる護衛や雑用は冒険者に回されることは多いし、首都の冒険者も近場という事で仕事の合間などに受けることが多い仕事だが、恐ろしく臭く汚れてるの好かれる仕事とはいいがたい。

「それに下水道なら「首都の地下」とかでしょう。学園の地下、ってことは学園独自の施設じゃないですか?地下倉庫とか。その類の物をダンジョン呼ばわりする感じで」

「授業が終わったらどっかに集まって、そのまま下見に行く。で部屋に戻ってお泊りグッズをもって、友達の家でお泊り会しつつ記事を仕上げる。ありそうだな。でも地下倉庫や学校の設備で3日も迷うか?いやでも、なんかの事故で閉じ込められたとかならあるか」

 二人は数秒考える。そしてVの意見。

「僕らはその路線で調べてみませんか。学園の外なら教師陣と騎士団が調べるでしょうから」

「そうだな。学園の地下施設か」


 二人は学園の地下施設を調べる、となると学園の地理に詳しい人間がいる。

 教師から一人回してもらおうか、と考え職員室に向かう道中に

「おひさしぶりです!!」

後輩に会う。

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