第59話
「三人は学校からでてないんじゃないか」
部屋から廊下にでた4人。そこでドーリーはそう言った。
「お泊まりグッズがあるから家の方には向かってないとは思いますけど学校の外にでてないとは言い切れないんじゃないですか。制服のまま学外にでて学校の近くで事件が事故に巻き込まれた可能性も」
司書はそう答える。
「本人たちの計画、というほどの物でもないんでしょうけど、予定では授業を受けて終わったら部屋にいったん戻って、授業で使った諸々の荷物を置く。そして着替えるか制服のままあのお泊りグッズをもってこの個室の子の家でお泊まり会って流れでしょう。この子だけお泊りの用意がしてないのはこの子の家に行くからだ。そして部屋に学校用の鞄もないってことはそもそも戻ってない。近所の学校なり店なりによるなら、二度手間になるからまずを荷物交換してそのままお泊まり会の方にいくでしょう。ですから学外に出て戻ってくる気だったとしてもかなり近くでしょうね」
「近く、たってこの界隈は学校だらけだ。週末でも何かしらの問題が起きたら警備の人間なり教師なり生徒なりが気づくだろ。帰って来て着替えたって感じでもないってことは、あの目立つ制服着てる」
Vの意見にドーリーが反論。
「この界隈は学校関係者が中心で部外者や変質者は目立つ場所だ。馬車に轢かれたみたいな事故なら、あの派手な制服だから学校のほうに確認がくるだろう」
首都の街角は雑多な人間やモンスター、種族が集まっているが、この界隈は違う。
学生や教師、その他学校関係者がメイン。確かに菓子の専門店などもあるが、それはそう言った学校関係者狙いの店でたかが知れている。
女学生を狙う変質者などすぐに見つかるだろう。
「何かしらの問題が起きたとしたらもっと離れた場所か、それか調査の手が入りにくい学校内だと思うぜ。だから週末から今日まで問題にならなかったんだ。どっか遠くに出たならそういう雰囲気の物がなにかあるはずだし、あの目立つ学校の制服で家出なんてことはやらんだろうから、学校内にいるって考えるほうがいいんじゃないか」
「だとしたら彼女たちはどこにいるんです?この学校は確かに広いですが、いい歳した女の子が週末かけて探検するような場所じゃありませんよ」
司書が納得した二人の意見だが寮の管理人は納得しなかった。
なのでこの疑問。
「わからん」
「そこなんですよね」
その疑問に答えられる人はいない。
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