第54話
「警備員か、その類の人は」
「寮の方にはいます。あと休日は学内の見回りもやるんですが、平日は居ないんです。そっちは複数の学校で共同で雇っていて」
「その休日に呼ぶ警備員に話はききましたか?出入りがあれば気づくでしょう」
「そうですね。話を聞いてきてくれるか」
「わかりました」
教頭の近くであれこれ相談していた教師にそう命令して走らせた。
「騎士団にも早めに伝えたほうがいい。巡回業務中に見つければ確保して報告してくれるだろう」
「それについては、その、あの三人の性格や普段の行いからして、どっかからひょこっと出てくる可能性があるじゃないですか。なので学内や親御さんでも大事にすべきかという意見があって。近隣で連れ去りなどの話はでてませんし、身代金がどうだって話もないんです。彼女たちは攻撃魔法ができますし」
「子供がいなくなれば十分大事だよ。もしどうでもいい理由だったら三バカ大将を騎士団に突き出して弓の的にでもして貰え」
教頭の「大事にすべきか分からないので」というお役所仕事的なしぐさに対してドーリーが命令。
「あれでしたら「冒険者から助言を受けて」云々と言っておけばいいかと思いますよ」
それにVの助言。「あれでしたら」というのは「大事にして恥をかいたら」「反対意見を述べる人を納得させるために」などの複合的な意味。
「わかりました。騎士団の方には、私が行くべきでしょうね。責任者ですし。今日はもてなしもできず、ご足労おかけしましたが」
「いいさ、子供はどこでも大事だよ」
「そうですよ。学生を守るのも仕事でしょう」
ドーリーとVはそんなことを言って教頭を見送った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます