第53話

教頭の話はこうだ。

 と話し始めることほどの情報はない。三人は昼食後授業へ向かい、終了後から行方不明。

 三人とも寮生だが週末の外泊許可を取っていた。

学校終了後、そのまま週末は自宅に一時帰宅ということで許可を取っていたので寮の方では確認を取っていなかった。

 そう言った生徒は珍しくない。

また学校としてはいちいち生徒の帰宅の確認をしているという事もない。

自宅が遠くだったり勉学に励みたい、家から出たいという学生向けに寮はあるが、全寮制の学校という訳ではないのだ。なので週末、学校が終わった際に三人のように一時的に帰宅する人間はたくさんいる。

 そして自宅、三人ともまぁまぁなお金持ちの家だとか、については二人は

「学校の掲示物を作るから友達の家に泊まる」

もう一人は

「友達がくると思うけど遅くなるかも」

と報告していた。

 結果として家には帰ってこなかったが「うちの子の性格からして、ほかの子の家にいるんでしょ」とそこまで気にしてなかった。前にも同じことがあったのだという。


「というのがご家族の話でした」

「放任主義だなぁ」

「まぁあの三人ならわかりますけど」


 そして月曜日、朝最初の授業に顔を出さず、と言っても彼女らは遅刻やサボりの常連なのでそこまで疑いもせず、寮の方に確認を取ったらそこにもいない、家から帰っていないのでは?という話になり、家に連絡をしたら自宅にも帰ってない。

 という事で今になった。そういったわけだそうだ。


「それで足取りを確認するために俺達を呼び出したと」


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