第49話
「あの三人、なかなか過激な記事を書いてるらしいですね」
そんなVに助け船をだすドーリー。
「学校はもっと本格的な処分を出さないですか?学校から放り出すとか」
「それがなかなか難しいのよ。彼女たち、いい加減な記事もあるけれど、甘味処マップとかこの学校界隈のイベントとかローカルな話は生徒や教師たちからも人気があるし、よその学校にもゲリラ的に張り出してるから、うちの学校だけじゃない妙な人気があるのよ。だからむやみに押さえつけては評判にね。それにたまに教師も知らないとんでもない特ダネを書くから。隣の学校のいじめを暴露したときなんか、この界隈の学校を全部巻き込んだ大問題になったわ」
苦笑いしながら学園長はそんなことをいい
「それに迷惑、というより大問題にならない書き方をおさえてるのよね。いい加減な記事にしても書いて問題にならなさそうな生徒をネタにしてるし、いじめの時なんか被害者がわからないようにうまく隠してたし。だからなかなか学校が処分できる問題としてあがってこないのよ」
と続けた。
実際問題、書いた本人が苦笑いで許してくれる範囲の記事だと大きな問題になることがない。加害者の立場だと多少過激な書き口でも学校に文句をいいにくい。だから明確な処分を打ち出しにくい。
「だから、まぁ黙認よ。中途半端に厳しく禁止して把握できなくなるより、内容を把握した上で対策を打ち出したほうがいいっていうのが学校の考え」
学園長はそう話をしめた。
「それで、あなた随分と変わった魔法を使ったって聞いたんだけど」
「私のあれですか?そこまで大した魔法じゃありませんよ」
そう言って魔法の中身を解説するV。
「面白いロジックね。でも攻撃魔法でもっといい魔法があるんじゃないかしら?」
「それはまぁ、そうですが、いろいろと事情がありまして」
「攻撃魔法の才能がないんですよ。そいつは」
面倒な御託を並べるよりも一言で答えてしまった方が早い。
「まぁ、そうなんです。どうもね。そっち方面の才能がない」
「あら、それは失礼。でもそれで冒険者としてここまでやってこれるってのはすごいわ」
学園長は空気が読める。じゃなきゃ出世できない。なので、この話はこれで終わり
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