第48話
射撃場
練習最終日、となると今から特別なことを教えるわけにはいかない。
それに正直特別なことを教えても使い道があまりないという事もある。
「要は障害物競走だよ。走り回って的を探して撃つ。だから基礎として大事なのは体力と的に当てる能力、そして標的を見つける能力の三つさ。体力は今更どうにもならん。地図を見て現在地を見つけ出して標的を見つける特訓は昨日やった。という事で最後は的当てだ」
と言うことで的当て。ただいつもと違い、短い距離から狙ったり、いつもより遠い距離から狙ったり、走ってきて構えて発射までの流れを練習するなど。
後輩の方は体力自慢。ただ狙いが甘いため距離があったり走り込んだ直後は的中率が下がる。
先輩の方は、「体力に自信はない」というのが本人の弁だが後輩について回れる程度の体力はあるし、構えがきれいで狙いもしっかりとしている。
「総合点では金髪の彼女の方が高いですね」
練習を遠目に見ながら的中率を数えていたVはそんなことを言った。
「精が出るわね」
二人が引き続き練習、今は先輩が後輩に遠くから当てるコツをおしえている、しているのをドーリーとVが眺めている所に学園長がひょっこりと現れた、
「こんにちは」
「見回りですか」
二人はそんな感じで挨拶。
「いやね、そうじゃないの。あの三バカ大将が迷惑をかけたみたいで、ごめんなさいね」
「あぁ」
三バカとは新聞部の三人の事。
「別に構いませんよ。むしろ僕の方が問題を起こした側ですし」
「攻撃魔法を使おうとしたんでしょう。ならあの位の反撃は仕方ないわ。むしろ怪我無く終わらせてもらってありがとうってお礼を言わないと」
実際反撃に攻撃魔法を使ったら、少なくとも怪我はしていただろう。
「いやいや、そんなこと言われましても、はい」
返しかたがわからないVはそんな返事。
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