第47話
「学校じゃ有名ですよ。二人とも系統は違っても美人だし」
「申請したらほとんどの活動にOKがでて応援してくれるって自由さが売りのこの学校でも変わり種ですからね」
「そうそう、もともとあの金髪の先輩の方が一人でやってたんです。この学園の寮住まいなんですけど、寮の端っこで練習してて」
「学校から怒られる?成績優秀で態度は良好、友達も多いって人がだれも来ないような場所で一人、周りに迷惑かけずに弓で的を狙うだけってならこの学校じゃだれも怒りませんよ。私たちとは違うんですから」
「で、あとからあの後輩の方が参加したんです。で、ちょうどそのころ今の射撃場の所にあった廃墟、たぶん昔の倉庫か何かだったって話ですけど、の取り壊しが終わって、その利用許可を取ったんですよ。すごいですよ。先輩の方は人徳があるから友達とか知り合い、先生方にお願い攻勢してほかの使いたいって活動や授業を黙らせて、書類や実務の交渉は後輩の方。あの見た目に寄らず弁が立つんです。それで押しまくってOK」
「あの時は私たちでうちの学園の生徒とよその学校の教師の恋愛記事を書いてちょっと、というかかなり問題になってて。男の方は結婚してたのに隠してたんですよ。そりゃ私たちだってただの禁断の愛ならうまくごまかしてわからないようにしますが、そういう話なら容赦しませんよ。いや、それで正直学校の土地利用許可を誰に出すかって吟味なんてやる暇がなかったってのもあるんです。まず問題起こさない成績優秀な二人で、ほかの学校にあってうちの学園にない射的場ならまぁ良いだろうと」
「OKって言っても二人しかいない活動に学校が予算だすわけじゃないんですけどね。それで自分たちで土地を整備したり風化したレンガを交換したり標的を作ったりと。すごいですよ。こういう話みんなだいすきでしょ?いや、すでに第一壁新聞(学校から認められている方だそうだ)が書いちゃって」
「で今に至るわけです。先輩は今年卒業なんですけど、卒業後は貴族のお坊ちゃん所に嫁入りがもうきまってるらしいですよ。いいですよね。憧れるなぁ」
「学園生活終わっていきなり結婚なんていやじゃない?もっと自由の方がいいじゃない」
「そんな事言ってると行き遅れちゃうよ。相手の方はなかなかイケメンだって話だし」
と流れるように出てくる個人情報の山。
「なんでそこまで詳しいんだ」
「いやぁ、まえ、二人が恋愛感情にあるとかなんとかそんなことをにおわせた記事を書いたことがありまして」
「当人達は苦笑いで許してくれたんですが、周りの近衛兵たちに恐ろしく怒られましてね」
「反省ですぅ」
三人は、反省してないような顔でそんなことを言い
「きみらやっぱり一回叱られるべきだよ」
「そのうちひどい目に会うぞ」
二人はまた呆れたように答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます