第40話
「えーとそれで君らは何の用事があって俺たちを見てたんだ」
処分という処分はなし、狙われた側も大事にしないように言ってるし、痛い目にはあったということでで訓告、つまりは後日偉い人から説教ということになった。
しかし、まぁこのまま目的も聞かず放すというのもどうか、という事でドーリーとV、そして経路設定の見直していた二人に目の前の三人で雑談ということになった。
「えっとですね、はい、その」
「新聞のネタですか!?」
「新聞?」
後輩の一言にドーリーが疑問を呈す。
「彼女たちの弓と同じように、壁新聞やってる子がいるとか言ってましたね。そういえば」
「つまりあれか、取材ってやつか?ならこそこそしてなくても初めから言ってくれればいいのに」
講習の際にあれやこれや聞かれた二人。ここの学生にしたら自分たちみたいな冒険者は珍しいだろうし話のネタにもしたくなるだろう、ということはわかっている。
しかし
「いや、その、ね」
「うん、そうなんです」
「えぇ、はい」
言い淀む三人。
それに対して先輩は苦笑をしながら
「その、おそらく先生(彼女は二人の事をこう呼ぶ)が聞かれたのは正規の壁新聞の方だと思いますが、彼女たちはまぁ学校から認められていないんです」
「へぇ?どうして」
「えぇっとですね、まぁ、端的に言っちゃうと、過激でいい加減なんですね。どこかの誰かと誰かが女の子同士で付き合ってるとか、学外の生徒と付き合ってるとか、逆に〇〇先生が別れたとか。内容がいい加減でネタにされた生徒も迷惑してるんです」
「私はあのオカルトシリーズが好きですよ!職員室にたたずむ幽霊とか、吸血鬼が絵画から飛び出てくるとか、そういえばこの学校が対吸血鬼退治の為の戦士養成機関だって記事もありましたね!あれ学園長先生から学校の歴史を適当に書くなって叱られって一週間のトイレ掃除になった聞いたけどほんとですか!」
と学校の恥という感じで紹介する先輩と、自分の好きな記事を適当なノリで批評する後輩。
これに対してさすがに怒ったのか
「変人扱いされてる二人にそんなこと言われたくないわ!」
「そうだそうだ!二人だけで弓なんかやって変人扱いされてるでしょう!私たちと同じよ!」
と二人は怒ったが、もう一人は
「いや、さすがにそれは無理がある」
と二人を止めた。
「詳しくは知らないけれど、一応、この二人は学校から認められてるんだろう?」
「学校から認められる活動と比べたら君らの方が分が悪いよ」
それに二人も参戦。
「あぁ、そうですか。はい」
「そうだよね。やっぱり」
本人も正直無理筋な反論とわかっていたのでこの反応。
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