エピローグ

 まあ、あれだ、お前らにゃあ恨みなんて一切ねえ。むしろ感謝してるぜ。


退屈な航海で船が港町に着いた時にゃ、あの、頭のおかしいドクター共々、どうなる事かと思ったけどよ。

色々、遠回りしたお陰で久しい 【知り合い】 にも会えて良かったと思ってるよ。

殺らなきゃいけねえヤツも殺れたわけだし。


あの時代ときは何かと急がしかったからなあ……


おっと! いけねぇ、いけねぇ。今から面白れえテレビが始まるんだったぜ。

俺もとったなあ。忘れっぽくてたまんねえや。





バババババ


「こちらヘリで空からの中継です! 今宵、ついに明かされる 【徳川埋蔵金伝説】 生放送でお送りいたします!」


――「慎ちゃん! ご飯よう!」 甲高い声が一階から聞こえた。


「はいはいはい……」 慎はスマホの画面を見ながら言う。


『テレビ始まったまた明日』 ネットゲームにヨシオからのコメントが入った。


慎はスマホをベッドの上に放り投げ、あくびをしながらテレビを見る。


――「さあ! いよいよ、この時がやってまいりました! テレビの前の皆様は世紀の瞬間を目撃する事となるでしょう!」 ヘリコプターから中継する女性リポーターは声を荒げ言った。


「発掘現場は現在どのような状況でしょうか!?」 


――「ハイ! こちら現場からは着々と地中深くまで発掘作業が進めれれております。機器データによりますと、謎の空間が非常に近い為、全て手作業にて進められております! (あれは映しても大丈夫……? OKね。) ハイ! そして、ここ赤城山の麓では発掘反対のデモが依然として続いており――」


――バン! ザザザ! ガガガガガガばあああああああ!

うわああああああぁばああああああああ!


「もう! 慎ちゃん! お肉が冷めるわよう!」




 第1章 END

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