その3
俺は物研の部室を出てから学校の中をぶらついていた。
途中でクラスメイトに学食に誘われた。
ちょうど昼飯時だったし、友達も作っておきたかったので一緒に行くことにした。
この学校は私立で何かと勉強に関係ない所まで金が使われているからか学食の席数はざっと200席はあった。
メニューも迷うほどあって2人で一緒に選んでいるとクラスメイトを呼びに来たので
「わりぃ、今日はもう戻れそうにないや」
と言い残してそいつは言ってしまった。
このまま帰っても腹が減るのでとりあえず唐揚げ定食の食券を買って席を探した。
学食を見回すと端の方にあきら先輩がいた。
てっきりもう帰ってるものだと思ったのでびっくりしつつ、他に知り合いもいないのであきら先輩の正面に座った。
何話そうか思いつかなかったのでとりあえず挨拶だけしておいた。
「こんにちは、積分くん....」
なぜ、先輩は俺の名前を知っているのだろうか。
「なぜって、入部届けに名前書いてたじゃないですか....」
そう言われると知ってて当たり前だった。
「そういえば、あきら先輩はなんて苗字なんですか?」
「おおさきです...大統一理論の大に宮崎の崎です...」
大統一理論....ツッこむべきなのだろうか、、、
おそらくあきら先輩の事だから物理の事なんだろうけど、、、
「大統一理論ってなんですか、、、?」
思わず聞いてしまった
「簡単にに説明しますね....?」
はぁ とだけ返しておいた。
わかりやすい説明ならありがたい。
「物理の4つの基本的な力は知ってますよね...」
「ええ、電磁力、弱い力、強い力、重力ですよね。」
「大雑把に言ってしまうとそのうちの重力以外の3つの力を1つの力としてまとまてしまおうという理論です...」
ほんとに大雑把だな。
もっと複雑なんだろうけど、さすがに学食で物理の話をしたい気分でもないし、それ以前に口頭の説明だけで理解できるかどうか....
「あ、あの、この後ってお
「あ、はい。暇ですけど」
急になんだろう。もしや、デートの誘いとか!?
「よかったら、これから実験しませんか...?」
うん、少しでも期待した俺が悪かった。
美人で大人しい系の先輩とデートできるとか下心持った俺が悪かったです。
「実験は好きですし、いいですよ。」
「なら、良かったです...」
俺達はお昼を食べ終えると一緒に部室に向かった。
もういっその事実験デートと思って1人で楽しむことにしようかなとかくだらないこと考えてるうちに部室に着いた。
「そういえばなんの実験をするんですか?」
「振り子を使った重力加速度の実験をしようと思っています...なので積分くんは振り子台と振り子を取ってきてくれますか?」
そういえば小さい頃にあきくんの家に行った時に振り子時計をよく見てたな。
そんなことをあきら先輩に話してみると、少しびっくりしたような顔をした。
「そういえばその子の声とか顔とかあきら先輩にどことなく似てるんですよね。」
さらにびっくりしたような顔をしている。
なんでだろうか。
「実は私....あき___________________________
一瞬置いてあった振り子台が頭上に見えたと思った次の瞬間には意識が飛んでしまった。
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