異世界テレパシー‪❤️ショッピング

侘s拳銃

「はてさてやってまいりました異世界テレパシーショッピング、ご紹介しますのは毎度お馴染みナナ=ビンテージと？」

「もういいよこの件り、さっさとはじめよう」

「いやいやクーヘン君、いつものパターンというのは継続でしかできないからね。それにやっぱり印象に残らないと」

「今日の、これ？」

「戻ってまいりましたヤスダです」

「邪魔！」

　バス！

「い！　てんんめぇ、人の足蹴るたぁいい度胸だなおい」

「だって邪魔だもん。消えて」

「まぁ待ちたまえ、今日はダブルアシスタントで」

「甘やかしちゃダメだよ。ヤスダ君、無能なんだからさ、出したら売れなくなっちゃうよ？」

「ほー人を無能呼ばわるとは、じゃあ聞くが、お前は、その出た腹であのダンジョン出られんのか？　土塊這い上って来れんのか？　ラーメン啜るがせいぜいだろうが！」

「声大きいよ。野蛮だな。ヤスダ君、もうこの仕事辞めなよ。向いてないよ。人前に出ていい人間じゃないっていい加減自覚しなよ」

「あ？　あんな商品無視してラーメン啜ってたりゲームやってたりしてる奴より才能無いってか？」

「そう言ってんじゃん頭悪いなー。ヤスダ君はスーパーの裏方として飲み物の入った段ボール上げたり下げたりがお似合いだよ」

「それはお前だろ。惣菜コーナー並べるコロッケでも揚げてろ形だけ責任者がお似合いだボケ」

「……ヤスダ君、なんでそんなに死にたがるのさ」

「出来ないことは口にするな、てのはお前の言葉だよな？」

　コホン。

「跪け」

　バシュ！

「うぉ！」

　バシュ！

「ゲボ！」

「立てる？」

「無理。足ってか膝痛いもん」

「ご覧下さい！　先ほどまで殺気ビンビンで睨み合ってた二人が膝をついて地に伏せてます！　我がコーポレーションが誇るチート能力者がこのザマです！」

「おいまて、これ、笑えないほど痛いぞ、おい」

「みなさまも異世界で格下がイキる場面に何度も出くわしてきたことでしょう。その度に力を見せつけたり跪けと命じたり、正直面倒ですよね？」

「痛い痛いから、商品説明始めないで痛い痛い」

「そこでこのハンドガン、侘s拳銃の登場です！　発するのは特殊な電磁波！　それも引き金引く力での発電ぽっちでの威力です。が、それだけでこのザマです！」

「ザマじゃねぇよこれパワハラだぞパワハライチゴ女神社長！」

　ずぞぞぞぞぞぞ！

「うるせえ！　隣でラーメン食うなデブが！」

「どうです？　膝を降り、苦痛に滲み、それでも立てない無様な姿！　これがお年を召した方々が苦しむ関！　節！　痛！　というものです！　それをこの銃で適当に、足でも腹でも頭でも！　イチゴ？　狙い撃てばはいこの通り！　膝の軟骨が消えてしまうのです！」

「それで痛くて立てないの？」

「そうなんだよクーヘン君！　この銃からは『シボウネンショウシソコナッタパルス』が発射され、受けた人間は例外なく、チートをすり抜けて、膝軟骨成分が蒸発し、膝が痛くなります」

「すげー技術でやることセコイなおい」

「いやいや、これがいいんです！　殺さず見下し優越感に浸れる！　生殺与奪はこの銃と共に！」

「ほんとだーいい眺めー」

「なんでテメーは立ててんだよデブ！　デブほど膝にくんだろが！」

「ラーメンの背脂でグルコサミン補充した」

「入ってねーよデブ！」

「あーーーーご覧の通り食事で解放可能です！　生殺与奪とは生かすことも含まれます！　また万が一の誤射にも対応可能！　万能銃を一人に一丁！　銃が人を殺すのだ！」

「わー可愛いパンティーなのに言ってることかーげきー！」

「可愛いパンテって、いやクーヘンく……あ！　ヤスダ！　てめぇ！」

「見せてたんじゃないのかよ。つか、おい、まて、売れ残りのチェーンソー持ってくんな。つか、今のクーヘンもだ」

「腰痛、肩こり、関節痛、あと大体の悩み事はこれ一杯で全部忘れろ。背あぶラーメン、おしいよ」

「締めてんじゃねぇデブおい、おい、おい！　おいい！！！」