異世界テレパシー‪❤️ショッピング

ニューオヤー(イチオシ商品）

「さーさーやってまいりました異世界テレパシーショッピング、毎度おなじみとなってまいりましたナナ=ビンテージです」

　ずぞぞぞぞぞぞ、んぐ、ぞぞぞぞぞ。

「クーヘン君、ラーメンやめて」

　んぐ。

「クーヘンだよー」

「さてやってまいりました異世界テレパシーショッピング、今回ご紹介します商品、イチオシです。はっきり言って今回は頑張りました。今までにないおススメ商品をご用意できました」

「あんまり強い言葉使うと後で恥かくよ」

「強い言葉を使いたくなるほど今回の商品、自信があります。社運、かけてます」

「あーーそういや新しい建物できてたね。ドクター張り切って出てこないの」

「そこで製造している製品が今回ご紹介します商品なのですが、クーヘン君、君はご両親が好きかな？」

「嫌いに決まってるじゃんあんなの」

「即答だね」

「当然だよ。ババァは飯不味いし持ってくんの遅いし、買ってこいって言うと月刊の方買ってくるしさ。ジジィなんか甲斐性ないくせに最後会った時なんか仕事しろーって殴ってきてさ、しかも殴り返したら泣きやがんの。流石に懲りたみたいで二度と部屋に来なかったけどね」

「はい。異世界にこられた方はみなさん同じようにご両親に恵まれてなかった方が多いかと思われます。その心の隙間を埋める商品が、今回のニューオヤーです」

「えぇー！　それってひょっとして？」

「そうです！　今回ご提供するのはそのものズバリ！　新しい親です！　それもただ奴隷を洗脳するのではない、完全オーダーメイドのあなたのためだけに作り上げられたクローン・ペアレンツ、もちろん片親だけでも同性愛両親でも、いくらでも増加可能です！」

「うわーい。じゃあエルフとかも？」

「もちろんです！　エルフ、獣人、天使、魔族、加えて容姿も髪の色肌の色瞳の色、背の高さから体重、スリーサイズ、もちろん年齢もお好みのまま！　さらにさらに事前に血液をお送りくだされば実母実父も可能なのです！」

「マジか！　あ、でも中身も前とおんなじじゃ？」

「とーんでもない。ご注文の際にチェックリストをご提示していただければ性格も、所有するスキルも、声優だってお好みで選べます！　もちろん絶対服従の安全装置は標準装備！　安心安全な親をお届けします！」

「うっわーい！　そんな自由じゃ選びきれないよ！」

「大丈夫です！　今回は完全受注生産で上限なしで何人でもご注文受け付けてます。ただ、オーダーメイドゆえに一人生産するのに時間がかかりますが、順次プラントも増築予定でして、すぐに量産体制に入れる予定です！」

「やったー！　だったら夢のママハーレムもすぐに完成するね！」

「と、ここまでは手の込んだ奴隷商ならばどこでもやっていること、ここからがコーポレーション、一味違います。何と！　父母関係なく三人以上お買い上げのお客様へ、古い両親、いらなくなった両親の下取りキャンペーン、始めます！」

「な、なんだってー！」

「そして下取りした場合、どんなに古くて使えない親でしても、ニューオヤー一人分の料金へとキャッシュバック！」

「それって事実上、一人分の値段でゴミまで捨てられて三人も手に入るってことじゃないかー！」

「そうです！　ニューオヤーを使ってニコニコハッピーフリーな異世界ライフ！　過去を清算して新しい家族を手に入れるこのチャンス！　お見逃しなく！」