第7話 国王からの伝言? よし、殺します。
教会の前には数人の兵士とレッグさんが立っています。
これは、裏切られましたかね?
……まぁ、その時は殺せばいいだけです。
私はレッグさんの前に歩いて行きます。
あまりにも普通に登場したはずなのですが、レッグさん達は驚いているようです。
「何を驚いているのですか? 私は呼ばれたからここに来たのですが?」
「ちょっと待て。確かに準備ができたからレティシアちゃんを呼んでみたが、別に大声を出したわけでもなんでもないぞ。なぜ聞こえたんだ?」
「何を言っているんですか?」
そもそも、自分の名を呼ばれたら
まさかと思いますが、そんな事もできないんですか?
そっちの方が驚きです。
「まぁ、私が聞こえたかどうかなんてどうでも良いでしょう? 準備も終わったみたいですし、教会には教会関係者しかいないんですね」
「あぁ」
レッグさんはそう言うと、隠れさせていた兵士に教会を囲ませます。
裏切られましたかね?
教会に入る前のウォーミングアップという事ですか。
私が周りをニヤニヤしながら見ていると、レッグさんが私を止めます。
「教会を囲んだのは、あくまで神官が逃げないようにするためだ」
「私が逃がすとでも?」
「レティシアちゃんの実力は知らないが、万が一って事もあるだろう? 教会に突入する前にレティシアちゃんに王族
伝言?
私の事を話したのですか?
まぁ、どちらにしても……。
「そんなモノに興味はありません」
私はレッグさんを無視して教会に入ろうとします。
レッグさんは慌てて私を止めようとしますが、レッグさんと話をしていた兵士が私の肩を掴みます。
「おい、さっきから黙ってれば、あまり調子に乗るなよ? 俺達は、レッグ様が頼むから嬢ちゃんに協力してやってるんだ」
はぁ?
レッグさんは少し青褪めていますが、知ったこっちゃありません。
私は兵士の胸ぐらを掴みます。
「私に貴重な意見を下さった貴方にお尋ねしますが、私がいつ貴方がたに協力を求めましたか?」
「な、なに!?」
兵士は私の腕を払い、睨みつけてきます。
不快ですね。目を抉りますよ。
レッグさんは私を止めようとしますが、一睨みすると動きが止まります。
「レッグさん。邪魔をしたら……分かってますよねぇ……」
「う……あ、あぁ……」
レッグさんは顔を晒しましたが、兵士はいまだに文句を言ってきます。
さて……。
「うっ……」
私は兵士の喉元にナイフを突きつけます。
「少しでも声を上げたら殺しますよ。あ、ちなみに私は人を殺すのを躊躇いませんから、脅しではない事を忘れないでくださいね」
「あ……あ……」
ふむ。
大人しくなりましたね。
「貴方は何か勘違いしていませんか? 私はレッグさんが二時間だけ待ってくれと頼んできたから待っていただけなんですよ。もしかして、こう思いましたか? 私が貴方達の協力の下に教会を襲うと。在り得ません。私は私の意志で教会を襲うんです」
そう教えてあげて、少しだけ喉にナイフを突き刺します。
血が少しだけナイフに流れます。
「まだ、文句がありますか?」
「い、いや……。す、すまない」
謝るのなら脅すのをやめてあげます。
私がナイフを下げると兵士は急いで他の兵の所へと戻ります。
さて……。
「レティシアちゃん。伝言だけは聞いて行ってくれ」
「はぁ?」
「俺としては国王の伝言はどうでも良い。ただ、もう一人の王族の話だけは聞いて欲しいんだ」
「……。まぁ、良いですよ」
聞くだけなら問題はありません。
しかし、レッグさん。
貴方の言葉一つ間違えれば、私は貴方がたに牙をむきます。
それだけはお忘れなきように……。
「さぁ、早く伝言とやらを言ってください。私は、さっさと教会を潰したいんです」
「あぁ……。まずは国王からの言葉だ」
国王……。
何を言おうと国王を殺すのは決定事項なのですが、ここで面白い事を言えば少しだけ長く生かしてあげましょう。
「私はファビエ王国の国王だ。ファビエ国民であるのなら、
はぁ……?
盛大に喧嘩を売られているみたいです。
教会よりも先に、国王を殺しに行きましょうか?
私は教会を背にお城を睨みつけます。
「レティシアちゃん。もう一人の伝言を聞いてから城を襲うかどうか考えてくれ」
「……そうですね。さっさと話してください」
「あ、あぁ……」
レッグさんは、もう一人の王族からの伝言を聞かせてくれました。
「ふふっ……」
「レティシアちゃん?」
「なんですか?」
「い、いや……」
よし、教会を終わらせたら、もう一人の王族に会いに行ってみましょう。
そうと決まれば、私は私がやりたい事をやるとしましょう。
私は、少しだけ上機嫌になりながら教会へと足を踏み入れます。
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