スカルアトラス 楽園を継ぐ者 アフタートーク

ドラゴン 好きすぎて倒せない

スカルアトラスがオリジナルだから、敵のモンスターは外見が浮かびやすいように極力創作しない方向にしようと決めました。

スライムは言わずもがな、ホーンラビットも要するに角のはえたでっかいウサギ。

サーベルタイガーはもうそのままです。

クライマックスでは、ファンタジー作品でもっと有名なモンスターであるドラゴンと戦おうと自然と決まりました。

わー小説でドラゴンを書くのは初めてだなぁ楽しみだなぁ、と呑気な見切り発車。

蓋を開けたら、ドラゴンが強すぎて倒せない。

正確にはドラゴンが好きすぎて倒せない。

ファンタジーの大スターを粗末には扱えない。

自分でもこだわりがあるから、カッコよく書きたい。

物語の流れで、設定がどんどん強くなっていく。

氷結させられて六六〇〇万年経っても生きているとか生命力強すぎじゃね？

トドメとばかりに、黒いスカルアトラスとの連戦で疲弊したままドラゴンと戦うの？

最後の最後で超大変でした。

自分にとってはウルトラマンVSゴジラみたいなドリームマッチ。

どうやって勝敗をつけてあげればいいの？？？

敬愛する『ジョジョの奇妙な冒険』の作者荒木飛呂彦先生が第四部で吉良吉影が強すぎて倒せない、というインタビューを昔読みました。

当時ただの読者だった私は、創作者がキャラクターをコントロールしているんだからそんな状況が起きるのかと不思議に思っていました。

（もちろん天と地ほどの差があるにしろ）実際に我が身に降りかかると、これか、と変な笑いが浮かびました。

自分も本当に悪戦苦闘しながら、なんとかドラゴンの首を落とすに至ります。

（マジでベルバ炎上エンドとかも考えたりもしました。）

無事に本になって良かったです。

ドラゴンが皮膚病というアイデアは、担当氏からもお褒めの言葉を頂きました。

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『スカルアトラス　楽園を継ぐ者〈2〉』2019年8月10日、電撃文庫より発売。