ハクア・ミュティス 好きなツンデレの3K
ベルバのお姫様。クレイのはとこ。高貴なるツンデレ。妹属性。
クレイに淡い恋心を抱く強気なお姫様。すごーく書きやすい。
個人的なツンデレに求める3Kは、かしこい・かわいい・けなげ。
明らかにクレイへの想いを自覚しているのに素直になれないところが可愛いですよね。
その一方、生まれついて背負わされた宿命の重さに対して苦しむ等身大の女の子。
クレイに王宮勤めを望むのは、要するに頼れる相手が側にいて支えて欲しいという切実な願いでもあります。
その幼い部分を、結果的に利用されてしまうのですが。。。
恋は戦争。
なりふり構わない振る舞いもまた強さなので、残念ながらジュラの方が一枚上手だったのです。
乳母である巫女のジュラは厳しい教育係であり母親代わりの存在。
そのため思春期の少女らしく愛憎半ばの距離感で、最近は必要最低限の会話しかしていません。だけど幼少期に優しくされた記憶はきちんと覚えている。
だからこそクライマックスで彼女は絆を信じて瓦礫だらけの王宮を走ります。
あの瞬間、ハクアはお姫様から女王になったのだと思います。
作者としても、彼女に命令されて最後に加筆した印象深い場面でもあります。
スカルアトラスを挑発するあたり、さすがクレイと同じ血統です。
古くは神話、映画なら『スターウォーズ』漫画なら『ジョジョの奇妙な冒険』のように血統と物語の密接な関係性は、非常にドラマチックなので題材として好きで興味深いです。
血統というのは潜在的に埋めこまれた祝福であり、呪いでもあるため本人にはどうにもできません。
選ばれし者は避けられない葛藤を超えて、偉大な人物に成長します。
その通過儀礼はいつの時代でも描くべき普遍的なものだと思います。
今後は彼女の変化とベルバの発展がより密接に関わってきます。
為政者となったハクア・ミュティスの人生は、むしろこれから始まったといっても過言ではありません。
クレイは家族として、そんなハクアを支えていくのでしょう。
ベルバ王家の歴史については割愛した部分もあるので、いつか書いてみたいものです。
〈宣伝〉
『スカルアトラス 楽園を継ぐ者〈2〉』2019年8月10日、電撃文庫より発売。
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