シーク/ジュラ ラブストーリーとしてのスカルアトラス

クレイの古い女友達。女優。母性強めのお姉さん/黒衣の巫女


いいですよね、甘やかしゆるふわ系な綺麗なお姉ちゃん。

しかも一歩外に出れば誰もが羨む高嶺の花、そんな女性と唯一無二の親密な距離感。

実にラノベっぽい。むしろエロゲーか?(笑)

良くも悪くもクレイとは相互依存の関係性は誰でも知るところ。

むしろ対外的にアピールすることで、クレイに悪い虫を近づけさせなかった可能性も大。


外見は浅黒い肌のセクシー系のお姉さん。

MONDO GROSSO『LIFE feat. Bird』って曲が昔からすごく好きで、PVのサビで階段を駆け下りるお姉さんのあのイメージをこめてみました。

他にはアニメ『カウボーイビバップ』第一話「アステロイド・ブルース」に出てくるカテリーナ。


性格は演じるという才能にステータスを全振りして、他はまともに覚束ない感じ。

彼女の正体含めて人間的な生活を営む必然性もないため、あのほぼ何もない部屋になっています。

長らく人間の模倣をしてきた彼女にとって女優という職業は天職でした。

本人は周りに言われるがまま役を演じてきましたが、文字通り人間離れした美貌がひとたび舞台に上がれば見る者の心を掴んでは離さない。

まさしく不世出の女優として永遠にベルバの歴史に刻まれることでしょう。


     〇


スカルアトラスという物語は、彼女のラブストーリーでもあります。

クレイと出会ってからのシークの日々は新鮮な時間だったのでしょう。

自分の想いのままに生きるという幸せを噛みしめながら、表に裏にとクレイの成長を見守っていました。


長女の立場ゆえに姉妹でひとりだけ様々な事情を知り、またその責任感からくる世話焼きゆえに放っておけない。

クレイとの関係性が深まるほど母性に目覚め、自分の本心と分かちがたく結びつきました。

彼女が正体を明かしたのは、クレイが断ればベルバなんてどうでもいいという本気の決意ゆえです。

死に魅了されたクレイの子孫を未来まで守るのが、自分にできる唯一の手段。

それで実らない恋なら燃えてしまえばいい。

愛とは摩訶不思議なもの。

恋愛ドラマを単純化するのは簡単ですけど、娯楽で描かれる恋愛の割り切れなさが味わい深いと思っています。


多くの謎を残して、エーテルの彼方へ消えた彼女。

「エーテルは不滅よ。何度でも生まれ変われるわ」

その言葉の真意は果たして。。。



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『スカルアトラス 楽園を継ぐ者〈2〉』2019年8月10日、電撃文庫より発売。

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