スカルアトラス 楽園を継ぐ者 アフタートーク

アジュール 時を超える少女

スカルアトラスの美少女。生きた化石。氷結の眠り姫。白い少女。

アジュールの外見は企画書段階から一切ブレなく、物静かな銀髪赤目の美少女というイメージです。

氷の中で眠り続けるスカルアトラスの印象をそのままヴィジュアルに落としこむ、それ以外の選択肢はありませんでした。

あとは母性の象徴として胸は大きめで。

hou先生がデザインしてくれた上品で美しいドレス、すごく気に入っています。細かい飾りまで凝っていて素敵で、アジュールの浮世離れ・人間離れがよく出ていますよね。

作者の裏設定では、あのドレスが頂上の貴族からシークにプレゼントされたものをアジュールにそのまま着せた、というイメージです。

逆に難儀したのが性格です。

彼女は、かなり複雑な経緯を辿ってクレイと出会います。

純心さゆえの生真面目さ、それゆえの苦悩などを表現するために適切な口調がなかなか定まらなかった。色んなパターンを試し、最終的に現在の丁寧語に行きつくまで結構苦労しました。

なんか、ありがちな無表情・無口キャラにはしたくなかったんですよね。

言葉にしなくても、内心ではいっぱい感じて考えている。

そういうところを丁寧に表現してあげたい。クーデレとか記号的な口調も似合わず、クレイとの掛け合いで今の形に決まりました。

こういう裏表がないキャラクターは、小手先で逃げようとすると嘘臭くなるから慎重になります。

アジュールは本編で満足に書ききれた感があり、クレイといいコンビになったと思います。

拒絶ではなく、受け入れることで前に進む。

自分が変わることで、現状に活路を見出す。

本作の実質的な主人公は彼女だと思います。

書き終わってからスカルアトラスが創られた存在だから、アジュールって実はロボ娘のカテゴリーに含まれるのか。

人外ヒロインって書くのが初めてかもとかと気づきました（笑）。

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『スカルアトラス　楽園を継ぐ者〈2〉』2019年8月10日、電撃文庫より発売。