病名 恋煩い
水蓮
第1話
「よしっ!」
今回は最高の出来だ、結び目の位置も完璧。
天気もいいしまさに絶好の自殺日和
達成感に満ち溢れ思わず声に出てしまった。
「な~にがよしっ!よ馬鹿じゃないの!?」
「また死のうとしてるの?頭悪いの?死ぬの?」
頭に鈍い痛みが走ると共に、彼女の甲高い声が耳に突き刺さる。
「僕の死因は首吊りじゃなくて、心の傷になりそうです訴えますよ」
「もうっ、そうじゃないでしょ。生きる意味がわからないとか下らない理由で死ぬなんてやめてよね」
そんな事を言われても、意味がわからないんだからしょうがない。
僕だって苦しい思いをしたい訳じゃない。
でも生きる意味がわからないし、ふと死んでもいいんじゃないかなって思ってし
眼が覚めると知らない風景の中に知っている人物が立っていた。
「今度は薬の大量摂取、ホントに馬鹿じゃないの・・・」
「ごめん」
また怒られるだろうと学習した僕は素直に謝っておく。
「いいよ、別に」
だが全く別の反応が返ってきた
「死にたいなら死ねばいいよ、でもね忘れないで。あんたが死んだら私も死ぬから」
「ふふっ」
思わず笑ってしまう、酷い呪いだ。
これじゃあ僕はもう死ねないじゃないか。
「なに笑ってんのよ!これがあんたの生きる理由よ、光栄でしょっ」
後日、交通事故で彼女は亡くなった。
帰り道に飲酒運転の車に跳ねられ即死だそうだ。
彼女の最後の言葉が僕の心臓を締め付ける
本当に酷い呪いだ。
病名 恋煩い 水蓮 @suiren_
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。病名 恋煩いの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます