お題「エアコン」
エアコンとは、世紀の大発明である。
なんと大仰に書いたけれど、これがあながち過言でもないことをきっと誰もが知っているだろう。私たちの生活――特に夏には必要不可欠な存在だ。
熱中症で日々多くの死者が出ている今日、エアコンは「最低限必要なもの」として位置づけられている。生活保護受給者がエアコンを禁止されて亡くなった――なんてのは有名な話だ。
つまりは、健康で文化的な最低限度の生活を送るのに欠かせないアイテム。
故に――――
「こう、冷房をガンガン効かせた空間って癒やされるよね~」
「いやいくらなんでもやりすぎだろ!?」
ここはサーバールームか、なんて分かりにくい突っ込み。
ソファでのんびりと優雅な昼下がりを過ごす私に、空から声が投げられた。
「仕方ないじゃん、私暑がりなんだから。私が熱中症になったら責任取れる?」
「……なら自分の家でやってくれないか?」
ぐでーんとしながら上を向くと、そこには見慣れたツンツン頭が。
幼馴染みにしてクラスメイト、我が愛しのダーリン(?)こと藤原和馬だ。付き合いも長いのに、私の行動にいちいちケチをつけてくる。いい加減慣れてくれないものだろうか、なんてことを常々思っている。
「あのなあ、ウチの電気代の何割がお前のために使われてると思ってる」
「……二パーセントくらい?」
「もっと行ってるよ!
なんで俺は夏場に毛布を被ってるんだ……!」
「でも、冬に暖房を効かせた空間でアイスとか、夏に冷房を効かせた空間でお鍋とか格別でしょ?」
「残念ながらここに鍋はなくてな。というかこの状況でよくアイスを食えるな」
「小腹が空いちゃって……」
「あ! っていうかそれ、俺のハーゲンダッツじゃねーか! 返せ、今すぐ吐き出せ!」
なんだろう、それは口移しをご所望ということなのだろうか。我が幼馴染みながらなんとマニアックな。
「口移しはそこまでマニアックでもないから!」
「……ツッコむところはそこじゃないよね?」
「寒すぎてもう頭が回らないんだよ……」
これだからこらえ性のない現代っ子は……
夏バテとは情けない限りである。
私は今日もエアコンを使う。
無理して熱中症にでもなったらいけないので、きちんと暑さへの対策を行う。
地球温暖化とか、電気代とかは些細な問題だ。
みんな、体調を崩さないように冷房は適度に使おうね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます