PC狂騒曲
水谷一志
第1話 PC狂騒曲
一
俺は小説家。ペンネームは桜庭優(さくらばゆう)。
俺はその日も小説を書くため、PCを起動する。
しかし…、
「あれ?」
PCが、起動しない。
俺はそんな状況にも落ち着いて、何度かPCを起動させようとする。
しかし、いややっぱり…。
PCは起動しない。
「これは困ったな…。」
その後、俺はこのPCと悪戦苦闘する羽目になる。
二
「こういう時はマニュアルを参照して…。」
しかし俺は、見かけによらずというか何というか、こういった機械系のマニュアルには弱いのだ。
「小説のアイデアなら、いくらでも浮かんでくるのにな…。」
そんな思考をその時に俺は持つが、それは無駄なもので、状況は一向に解決しない。
「これは、専門の人にテレフォンか何かで訊いた方がいいのか?」
俺はそうも思ったが…。
「待て、俺は小説のアイデアならいくらでも浮かんでくるぐらいの天才なんだ!
こんなマニュアルくらいわけないさ!」
という、妙なプライドをその時に持ってしまう。
冷静に考えてみれば小説のアイデアとマニュアルの理解は何の関係もない。しかし…。
俺はこのPCを自力で修復しようと決めた。
三
「この部分をこうしたら、こうなって、ああなって…。」
その後俺はいろんなことを試してみる…が、
一向にPC問題は解決しない。
それどころか、どんどん状況が悪くなっているような気がする。
「ってか何かこのPC、変な音がするような…。」
そんな異音に気づいても、
「いや自分で何とかすると決めたじゃないか!」
…妙なプライドが他人の助けを拒む。
「あー、ここは、こうなって…。」
俺はひたすら考える。考えて、考えて…。
しかしPCの状況はどんどん悪くなっているように感じる。
そして、俺は袋小路に入り…。
目の前が真っ暗になった。
四
「うん、俺の視界が悪くなっている?
どうしてだ?
…これは比喩ではない。本当に、俺の目の前は真っ暗になっている…!」
※ ※ ※ ※
あとは電子マニュアル部分と、AIの意識
の部分を消去するだけですね。」
「ご苦労。それにしても、こんなものは人間の邪魔だな。」
世界に先がけて作られた【小説を書くAI】、≪サクラバユウ≫は人間の小説家たちの反感を買い、こうして消去された。(終)
PC狂騒曲 水谷一志 @baker_km
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