眼鏡を追い求めるマイちゃん
「ふふふはははっ!!」
「どうした、発作か?」
「私はついにモテる方法を見つけてしまったのだよ!」
「秘密ならあるじゃないか」
「それじゃなく!! 私は見つけてしまったのだよ……とんでもない真実を!」
「ふむ。帰るわ」
「帰るな!——見つけた真実というのはな、眼鏡っ娘はモテるということだ!」
「眼鏡っ娘?」
「そうだ。ということで、私も眼鏡をかけてみようと思う」
カチャリ
「どうだ? 可愛いだろ?」
ドキッ
「やば、胸が痛い」
「恋か?」
「いや、ストレス」
「見るに耐えないということか!? この野郎!!」
「……すまない」
「ガチトーンで謝るなよ!? マジで傷つくだろ!!」
「そういえば前から思ってたけど、なぜ君はそうもモテたがる?」
「モテたほうがいいからに決まってるだろ」
「なるほど。いや、だがしかし……真面目にそう思ってるなら失礼を承知で言わせてもらうが……」
「?」
「せめて借金は返済しないと、モテることはないと思う」
「えっ」
「仮に君なら前科持ちの借金持ちと付き合いたいと思うか? さらに言うなら関わりたいと思うか?」
「思わない」
「つまりだ、前科(以下略)の人である時点で、モテないということだ」
ガビーん!!
「そ、そんな……!」
「第一印象最悪なその状況をどうにかしない限り、モテることは不可能だろう」
「なるほど。つまり私は眼鏡をかける前に、人にかかった色眼鏡を取らなくちゃいけない、ということだな?←うまいこと言ったつもり」
「黙れ」
「すまない」
「だからとりあえずは、真面目に働いてその借金を返済することだな。仮にも友達だから僕もできるだけ協力しよう」
「ケイくん……!」
「あれ、ケイじゃん」
「えっ」
「久しぶり、1ヶ月ぶりくらい? あれ? そこにいるのは……まさかケイの彼女?」
「いや違うよ」
「じゃあ誰?」
「知らない人」
「そっか。じゃあまたな」
・
・
・
「えっと、さっきの人は?」
「友達」
「なぜ私を知らない人と?」
「やっぱり前科(以下略)の友達は紹介しにくいし……←目をそらす」
ガビーん!!
「ふざけるな!? 何が『仮にも友達だから』じゃボケ! 一番、色眼鏡で見てるのはお前じゃないか!?」
「……すまない」
「ガチトーンで謝るなよ!? マジで傷つくだろ!! こうなったらグレてやる、盗んだバイクで走り出してやる〜! 爆音で爆走じゃ!」
「落ち着けって!」
「ブルルル、パリラパリラ〜♪」
「全部声でやるのかよ」
「無免許だし」
グレたところで問題はありませんでした。
〇〇を追い求めるマイちゃんシリーズ またたび @Ryuto52
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