時間を追い求めるマイちゃん 続
前回までのあらすじ
スイッチをポチッと押すだけで時間を遡ることができる時計を手に入れたマイちゃん。悪用し大金を手に入れたまでは良かったものの、未来人がマイちゃんの悪行を止めようとやってきた。どうやらお金を返して本来の歴史に戻してほしいらしい。
「返してくれますね?」
さてその返答はいかに!?
〜
〜
「えっ嫌に決まってるでしょ」
「ありがとうございます、今回はこちらの不手際で——はい?」
「このお金は私のもんだからね!」
「えっ、えっ、はっ?」
「未来人はさっさと自分の時間に戻ってマージャンでもしてな!」
ボコっ
「ぐへっ!?」
「(そりゃあ殴られるだろ……)」
「ケイくん、愛しのマイちゃんが殴られてるぞ!? 助けてくれ!」
「悪いけど今回ばかりは味方になれん、明らかにお前が悪い。それと別に愛しくはない」
「ではご好意に甘えまして、このお金は返させてもらいます。これで歴史は元に……本当にありがとうございます……」
「いやだから返さぐへっ!?」
「本当にありがとうございます……」
「こ、これは私の金だぞぐへっ! 痛っい、頼むから殴らないでくれ!」
「本当にありがとうございます……」
「——ふふ、私の広い心に感謝してくれ。それとケイくん、絆創膏はあるか?」
「暴力に屈する瞬間を見た」
「ではありがたく、このお金は返させてもらいます。また、その時計は返さなくても構いません」
「ん? いいのか、返さなくて? というかそもそもこの時計は君たちのだったのか?」
「はい。それは未来人のタイムマシンのようなものです。今回の騒動は私がそれをこの時代に落としてしまったことから始まっています。本当に申し訳ない」
「ってことは、私がボロボロになったそもそもの要因はそっちにあるってことか!? ふざけるな、超痛かったぞ!」
「落としたのはこちらの責任ですが、悪用したのはそちらの責任なので」
「むっ、言い返せない」
「その時計を落としたことが発覚すると色々と大変なのです。なのでそもそも私は時計を持っていない、そしてなぜか偶然あなたがそれを持っていたことにしてもらいたいのです」
「なるほど……ふふ、ならばまたこれを使って金儲けすれば……」
「ただ、悪用したり頻繁に使用したりすれば、未来人たちに見つかりまた痛い目にあいますよ? 本当に必要なときにだけ使用してくださいね?」
「なっ!?」
「ではまたいつか」
そう言って未来人は消えた。しかし翌日またマイちゃんを殴りに戻ってきた。
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