超能力を追い求めるマイちゃん

「私、超能力欲しい」

「ついで宇宙人とか未来人も欲しいんだろ?」

「それは別作品のヒロインだからね!? 適当に返すな!」

「……にしても今回は超能力? それは流石に無理があるだろ、非科学的だし」

「と、思うじゃん?」

「えっ?」

「実は私、スプーン曲げができるのです!」

「えぇ……(それって超能力じゃないだろ)」

「私を褒め称えよ!」

「あほくさ(すごいですね、わーい、わーい。マジ自己満でウケル)」

「心の声が逆だからね!? ……ていうか心の声も結構酷くね?」

「だって超能力だろ? アホらしい。スプーン曲げだってあれは超能力とは言わない」

「むむっ」

「スプーン曲げよりとにかく君は節約術を覚えるべきだと思う」

「超能力者として人気が出れば、借金なんてすぐ返せるから!」

「希望的観測だと思うが」

「——ということで、ケイくん。とりあえず私に超能力を見せてくれ」

「はい?」

「参考にしたいから」

「はい?(二回目)」

「ほら早く!」

「えぇ……うーん……。よし、分かった! 見せてやろう」

「よく言った!」

「少し待ってて」


 〜


 〜


「こちらに52枚のトランプがあります」

「ふむふむ」

「今からトランプをシャッフルするので、好きなタイミングでストップって言ってください。その時に山札の一番上にあるトランプをあなたに渡します。ちなみに僕はそのトランプの内容を見ません」

「了解した」

「では、かき混ぜます」


 サッサッと


「……ストップ」

「このカードでよろしいですね?」

「オッケーだ」

「では取ってください」

「(ダイヤの6か……)」

「僕はそのカードの内容を一切見てませんが、今からその内容を当ててみせましょう」

「できるわけないだろ」

「ふむ。ダイヤの6ですね?」

「えっ……!」

「合ってますか?」

「合ってる……すごい……」

「マイちゃん、これが僕の実力だ」

「これは驚いた、間違いなく才能あるよ!」

「いやいやそれは褒めすぎだよ」


 ・


 ・


 ・


「——ってこれマジックじゃん!!?」

「あっバレたか」

「盛大なノリツッコミだよ!? いやマジックのレベルは高いけどさ! 私が欲しいのはマジックじゃなくて超能力だからね!?」

「なるほど……帰っていい?」

「どうしてそうなる!?」

「僕をいつも家にすぐ帰りたい気持ちにする超能力、ってことでよくない?」

「いらんからそんな超能力!!」


 〜


 〜


 お分かりいただけただろうか?


『心の声が逆だからね!? ……ていうか心の声も結構酷くね?』


 心の声が聞こえるなんて超能力では?

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