第8話 自分勝手でそれだけで
一階に戻った大江田。それを確認した恵理子は尋ねる。
「どうでした? と言っても様子と怒鳴り声でわかりますが……」
「すみません。怒らせてしまったようで」
「いえ。私も同じようなものですので。
本日はありがとうございました。良いものではありませんがお茶菓子を召し上がって言
って下さい」
「いえ、早く帰れと成瀬に言われましたので僕はこれで」
「あの子ったら、まったく」
「それではお邪魔致しました」
「これからも娘の事、よろしくお願いします」
「はい」
頷き、去る大江田。
見送った恵理子は、二階を緩やかに見上げる。
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