第9話 『THE・END~前進するために~』

あの一件の後、一ノ瀬さんとの関係はギクシャクした。


一ノ瀬さんのこれまでの高飛車な言動の数々。

美里さんへの性暴力と支配。

とても和やかに会話できる雰囲気ではなくなった。


特に一ノ瀬さんには、交わす言葉に躊躇い距離が自然とできた。


僕は、そこでこれまでの関係や自分の振る舞いを振り返り整理することにした。


まず、一ノ瀬さん。勤怠最悪。40過ぎのいい歳して親の脛かじり。怠け者。良い御身分。あくせく働かなくても困らない。親が購入したマンションの宛てあり。ブルジョア。理屈酷い。傲慢。口が悪い。根拠のない自信。自信過剰。

閣下呼びして、馬鹿にしている。見下している。

最初のうちは指摘して嫌悪を主張したが改善されず、スルーするようになった。

すると、「閣下呼び定着しましたな。受け入れたんですね。」このザマ。話にならない。

悩みや深刻のバロメーターは欠勤や遅刻で、「閣下は全然休まないし勤怠良いから悩みなくていいっすな。」

「まあ、休まないってことはそこまで深刻じゃないってことっすよ。その程度ってことっすよ。」はぁ?浅はか過ぎるだろ。

口癖が、「気違い。ゴミ・クズ。」

非常に腹が立つ。不愉快。


石井さん。雑学豊富。癖が強い。ノリが良い。勤怠に少し難あり(一ノ瀬さん程ではないが)。中立。


畑さん。体調に不安抱えている(とのこと)。一ノ瀬さん同様勤怠最悪。ひとり暮らしのようなので一ノ瀬さんよりはマシ。休み過ぎてるので生活できてるのが不思議。身なりに清潔感なし。言動や雰囲気が苦手。一ノ瀬さんと勤怠悪いのが共通点。だからか、一ノ瀬さんとウマがあっている様子。


高島伸夫さん。紳士。一ノ瀬さんが一目置いている。唯一尊敬している珍しい人。一ノ瀬さんから僕のこと言いたい放題吹聴されている様子。だから僕は苦手。弁解の余地がない。アンフェアだ。


高島みずきさん。伸夫さんの夫人。歳はかなりいっているが天然風味のお嬢様。気品漂う。職場の情報通(信憑性に疑問あり)。


美里さん。人当たりよい。あちこちに顔を出し聞いたことをまたあちこちに流す。悪気はないのだと思う(たぶん)。外国好き。オーストラリアで出逢ったタイ人の旦那さんと結婚。カナダに旦那と移住計画するもビザが下りず頓挫。一ノ瀬さんお気に入り。


僕はこの今の生活、ぬるま湯に慣れてしまっている。


慣れれば楽だ。しかし、このままでいいのだろうか。



ポンッ。


SNSの通知音が鳴り、確認すると麗香から


「マコドン、久しぶり!連絡ありがとう。今度仙台帰ったとき飲もうねぇ!!」


僕は、思いきって麗香にSNSで連絡をしていた。


「仙台の小中学校の同級生だった林田誠です。覚えてますか?同級生の活躍スゴく嬉しいです。応援してます。今度仙台帰ってきた時は連絡ください。飲みましょう!」


これを送るまでに3ヶ月は悩んだ。

送るか否か。


それからたまに連絡を取るようになり、その年の年末に麗香が仙台に帰省した際に十数年振りに開会した。


日奈子さんの店で。


そこで麗香と日奈子さんは意気投合し、年に数回3人で体を重ねる関係にも発展した。


麗香はアイドルとしての活動を終え、実業家の夫とシンガポールで生活してたまに帰国する生活。


子供はおらず、不妊治療をしているという。


旦那の両親からの子供の期待をストレスに感じていると打ち明けられた。


晴らすかのように麗香と日奈子さんと僕は会うたびに激しく絡み合った。


僕は、日奈子さんの豊満な乳房と麗香の引き締まったくびれたヒップがたまらない。


僕は我慢ができず果てる。



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