第2話 アニヨン酒場
居酒屋帰りの 橋の上
川面の風を 袂に入れて
君はほつれ毛をかきあげ
愛してる?って きいたよね
黙っていたら
カランコロンと下駄の音
鳴らして 中の島
神崎川を渡った所が
僕らの住まい
この街で三年一緒に暮らしたね
君はふらりとやって来た
大きなトロリーケース引っぱって
初めて会った アニヨン酒場
日本酒に おでん
美味しそうに食べていた
今年も残す日わずかの寒い夜
塾で教えて 帰りに寄って
ママが先生と呼んだので
何の先生ときいてきた
夜の先生と答えたら
笑っておでんのこんにゃく
食べてと くれたっけ
こんにゃくが取り持つ縁で
一緒に暮らすようになった
どこから来たのと聞いたら
「あっちから」と西を指差した
何でこの駅に降りたの
阪急千里山線 下新庄
「淋しい駅だったから」
居酒屋帰りの 橋の上
川面の風を 袂に入れて
君はほつれ毛かきあげ
愛してるって 言ったけど
ふらりといなくなった
今年も残す日わずかの寒い夜
塾で教えて 帰りに寄って
僕はおでんこんにゃく食べている
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