第114話 修道女ララの日常 3

季節は、暑さが増して真夏になりつつあります。


先日、王都は凄い嵐でした。


私ララは、雷が苦手です。


あの、ピカッ...ゴロゴロ...ドッドン、と繰り返す雷です。


決して親父の雷ではありません、正真正銘の自然界で起こる雷です。


雷、尽くしでごめんなさい。


でも、それほど苦手なのです。


あの晩は、朝まで眠ることが出来ませんでした。


こういう時の一人部屋と言うのは、とても不便です。


昔は、雷が鳴り始めると私ララはお兄様のベッドに良く潜り込んだものです。


そんな私ララを、兄様はいつも優しく迎え入れてくれていました。


そう言えば、弟も兄様のベッドに潜り込んでいましたね。



さて、私ララも修道院にお世話になり始めて一年が過ぎようとしています。


ここでの生活にも慣れて、気力・体力共に充実しています。


そして、念願だった笑顔も自然と出せるようになりました。


もう暗黒面のララは卒業です。


院長先生が下さった、お笑いの本のお陰です。


院長先生ありがとうございました。


それから、『目が笑ってないよ~』といつも指摘して下さいました先輩にも大変

感謝しています。


今度、ソフトクリームでも奢って差し上げましょう。



そう言えば、お兄様から......。


父様と母様が隠居したと聞かされました。


直接、私ララに言うのは情けないと思ったのでしょうかね。


それと、母様の借金も全額返済が済んでいると言っていました。


あの当時は、第2王子様にも助けて頂いていたのですね。



過去は過去、現在は現在です。



何事も前向きに頑張って行きましょう。



ここからは、通常業務です。


最近の悩みの種は、孤児院の子供たちの相手をすることです。


私ララも、弟が居るので年下の子の面倒を見るのは苦ではないのですが。


胸を触ってきたり、スカートを捲ってきたりすのです。


まぁ、幼児組は気になりませんね。


年少組もまだ許せます。


ただし、年長組はもう許してはいけないと思うのです。


この世界では、15歳で成人の儀を受ける訳ですから完全なセクハラ行為です。



そのことを院長先生に相談したところ、私の事は触ってもくれないのよと拗ねて

いました。


少し違う気がするのは私ララだけでしょうか?


あっ、そう言えば......。


先輩も、私には触りもしないわと言っていましたね。


触らせない、何かコツでもあるのでしょうか???



今度、お二人に聞いて見ましょう。

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