第104話 火山島はジュラ◯ックパーク
ラッシオで逗留を始めて三日目......。
珍しくクリスタルが点滅していることに、ティーナが気が付いた。
“ねぇ、ジョン。 クリスタル、点滅していない”
“えっ、あっ本当だ。 ヴィーナからだね。 何かあったのかな?”
俺がクリスタルに魔力を流して魔法陣を起動すると直ぐにヴィーナが現れた。
“もう、早く気付いてよ。 プンプン‼”
“まだ寒いから、冬眠しているのかと思っていたんだよ”
“私は、龍ですから冬眠なんかしませんよ~だ。
あ~、私に黙って二人で何か美味しいものでも食べ回っていたんでしょう。
私も仲間に入れなさいよね”
何気に、鋭い事を指摘してくるヴィーナだった。
ティーナに話題を変えて貰おう。
“ところで、どうしたの?”
“もう、ティーナ誤魔化したわね。
まぁ、いいわ。
今日呼んで貰ったのはね、ここから見える所に火山島があるでしょう”
“え~と。 ここからだと、あの煙をはいている島の事?”
“そう、あの島”
“ヴィーナ、あの島がどうかしたの?”
“あの火山島を棲家にしている赤龍がね、私の棲家の洞窟にやって来てね......。
水龍と何やら面白い事をやらかしたそうじゃないか、俺も退屈だから混ぜろと
言って来たのよ”
“それで?”
“そうしたらね。 今度は、私が契約したジョンに会わせろと言ってきたの”
“ふむふむ。 それから?”
“だ~か~ら。 二人をね、あの島まで連れて行く事にしたの”
“え~、なんでそうなるのよ”
“ヴィーナ、それは余りにも唐突過ぎないか”
“まぁ、龍種はここ数百年、みんなね暇を持て余しているのよ。
だからね、お願い私についてきて......”
で、結局...。
ヴィーナに頼み込まれて、火山島へと行く事になってしまった。
“ねぇ、ヴィーナ。 あの島なんだけど、灼熱地獄じゃないわよね”
“至って普通の島よ火山が有るというだけで、逆に灼熱地獄なんてどういう世界よ”
“人は住んでいないの?”
“大昔は住んでいただろうけど。 今は、赤龍の配下の楽園ね”
そんな話をしているうちに、俺とティーナはヴィーナに乗せられて火山島へと到着
した。
着地地点では色んな種類の恐竜種がいたが、ヴィーナに気づくと我先にと離れて
行った。
“ヴィーナって、結構怖がられているのね”
“ティーナ。 それは、思っていても言ってはいけない事だと思うよ”
ティーナの言葉に、ヴィーナが首を垂れていた。
“おぅ、よく来たな。 ヴィーナ‼”
“あら、赤龍。 早いご登場ね!”
“気配を感じたから、サッサと火口から下りて来たんだよ。
そっちの2人が例の話していた奴らか”
“そうよ”
ヴィーナが俺達の方を見たので、俺とティーナは先に挨拶をする事にした。
“初めまして。 旅人で冒険者のジョンと言います”
“フェアリーのティーナよ”
“そうかそうか。
俺は赤龍の、ジェロニモだ。 よろしくな、ジョンにティーナ”
挨拶を交わした後、ジェロニモさんに案内されて豪華な東屋へとやって来た。
それから、2時間くらい色んな事を会話して、お開きとなった。
帰りがけジェロニモさんから、今度は俺にも声を掛けるようにとお願いされて
しまった。
そんなにも暇なのか、龍種の皆さんは......。
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