小学校の時に流行っていた謎のルール

 小学校では、決められたルールが沢山ある。


 登校班で登校しなければならない。(一部地域を除く)

 名札を付けなければならない。(一部地域を除く)

 上履きを毎週持ち帰り、洗ってくること(やってない人もいた。) 

 給食は、机をくっつけて班になって食べること(俺の学校はそうだった。)


 ざっと上げただけでも自分が通っていた小学校には上記のような多くの決められた教育上のルールが沢山あった。しかし、今回私が主張したいのはこのようなルールではなく、遊びの時に急に発生する。謎のルールの話である。



 ◇



 今思うと、小学校の時にやっていた遊びで様々な可笑しなルールを設けて遊んでいたのを覚えていたのを思い出す。


 小学校の休み時間。例えば、誰かが汚いものに触ってしまい、全員が一斉に「きたねー」といいながら逃げ出す。

 そして、その触った手を誰かに擦り付けようと追い駆けっこが始まるという謎の暗黙の了解がある。

(手を洗いに行けばいいものを…)


 汚いものを触った子が、初めに「タッチ」と言いながら逃げ遅れた人の背中をタッチする。

 タッチされた子は、それを必死に手で拭きとって、他の人に擦り付けようと再び追いかける謎の理論。

(一拭きじゃ拭きとれないだろ…)


 そして、再びするとまた別の子にタッチするために追いかける。

 しばらくして、鬼になった子が、元々、事の発端となった元凶の子を追いかける。

 すると、元凶の子は、他の子を肩で押さえ盾にしながら追いかけてくる子を交わす。

(いや、肩!肩!一番被害受けちゃってるから!)


 そして、盾にされてしまった子に鬼がタッチする。

 しかし、その子は両腕をクロスするように肩に押さえ、


「残念でしたーバリアー貼ってますから~!」


 と言って新しいルールといきなり取り入れ、鬼ではないことを主張し始める。

(いや、肩!肩!思いっきり汚れ触っちゃってるから!)


 新しいルールを取り入れると、全員がバリアを張り始める。

 しかし、そんなのも気にせずに鬼役の子は、バリアを張っている別の子にベトっと思いっきり擦り付けながら、


「残念でした。バリアは効きません~」


 と言い張り、ルールの上書きをする。


 汚れを擦り付けられた子は、再びこびりついた汚れをふき取って、鬼ごっこを再開する。


 そして、最終的にはそのまま飽きるまで続けるのである。


 飽きが来ると、今度は別の遊びを始めだす。

 気が付いた時には鬼ごっこのことは忘れ、全く別の遊びを初め、また新たなルールを作りながら楽しんでいる。

(手、洗おうね…)


 気が付いた時には、休み時間が終わりに近づき校内放送が流れ、生徒たちが時間というルールをきちんと守るため教室へと戻っていく。

(社会のルールはちゃんと守る小学生たち)


 教室へ帰るときに、ようやく手を綺麗に洗う人もいれば、洗わない奴もいる。


 下駄箱で上履きに履き替えて、再び自分の手が汚いことに気が付いた子が「タッチ」といいながら再びゲームを開始する。

 そして、教室へ戻る途中も小走りしながらゲームを繰り返して教室へ戻っていくのである。


 何が言いたいのか?

 結局は自分が楽しく遊べれば、ルールなんて、なんでもいいのである。


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