柳生と服部

江戸から二名の刺客が派遣された。


一人は柳生と言う剣術指南の男。

もう一人は服部と言う隠密。


二人は大坂東町奉行に来ると名無しの権兵衛の死因を聞いた。


自身のクナイが顔面に刺さるが出血は少量だったらしい。

おそらくは自害したと判断された。


服部「隠密に徹するよう言っておいたはず。

それが闇討ちされるとは。

おそらく相手は複数か、もしくは裏切り者が居る」


柳生「ならばどうする?」


服部「見せしめに疑わしい者を殺す。

義賊ならば無視できまい」



魔女狩りが始まった。


町奉行の北条はこの機会に、

横領に加担しなかった真面目な者を疑わしいと名指しする。


無実の町人や与力同心が狙われた。


柳生が夜な夜な押しかけてはその場で処刑していく。

服部は見張り役だ。


凶行は大坂城代の松平には伏せられた。



毎晩の処刑であっという間に三人も犠牲がでた。


全くの無実な者を次々と殺すので城下は騒然となり、

松平より先に犬影が気付いた。


今晩もやるのだろう。



今夜、柳生は与力同心を連れて越後屋に押しかけていた。

故越後屋の若い娘を取り押さえる。


柳生「貴様が越後屋の娘か」


越後屋娘「私は何も知りません!」


柳生「そうか、死んでもらう」


「まて柳生!父の敵討ちだ!」

そこへ最初の犠牲者の息子が現れた。


まだ幼い息子には侍が付き添っている。

その侍が刀を抜いた。


犬塚「助太刀致す」

柳生率いる与力同心を相手に敵討ちが始まった。


その様子を服部と犬影が覗き見ていた。

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