かくれんぼ
大坂城下町の夜回りは強化された。
だからではないが犬影も北条も大人しくしている。
犬影は新たな御庭番の到着を待ち、
北条は横領がバレるのを恐れて。
■
犬影は暇なので地下大坂城に潜入する事にした。
目的は武器庫。
難なく忍び込み、
ひと気の無い武器庫で武器を物色している。
「これあげる」
振り向くと幼女が鎖鎌を持っていた。
千里眼には何も映らないが肉眼では見えている幼女。
見つかってしまった。
犬影は座敷童と後で知ったが、
今はただ人ではない幼女の存在に固まっている。
幼女がずんずん近寄って鎖鎌を押し付けるので、受け取った。
千里眼にはいつも地下に居る男が降りてくる様子が正常に映る。
仕方なく犬影は地下大坂城を脱出した。
■
昼間、犬神神社の裏庭で犬影はもらった鎖鎌を振りまわしてみた。
雑草を鎌で刈ってみると切れ味は良かった。
鎖は振り回してみると奇妙な感覚がする。
木に巻き付けようとすると妙に馴染む。
今度は巻き付いた鎖をほどきに行こうと思うと、
自然とほどけた。
それで奇妙な感覚の正体が分かった。
鎖は蛇の様に自由に動かせる。
普通は危ないが、
鎖の端を持って鎌の方を振り回してみる。
遠くの木の枝も切れた。
更に千里眼も使う。
死角の先でも百発百中で命中した。
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