犬神神社の影

朝になり、それぞれの死体が発見される。


犬神神社境内の月影も身内に発見された。

皆、忍びの裏稼業をわきまえている。


死体は秘密裏に埋葬された。



犬神神社の当代宮司である吉影【よしかげ】はきくゑを淀川に同行させた。


吉影「月影は行方不明とする」


きくゑ「はい」


吉影「殿には今夜報告してもらいたい」


きくゑ「はい」


吉影「神社の裏稼業は廃業とする。

報告後は実家に戻り田吾作の跡を継げ」


きくゑ「はい、お世話になりました」



大坂東町奉行所は打ちこわし首謀者の首なし死体を回収後、

田吾作の首も回収、お竹の死体もその日の内に検分した。


首なし死体の首が別の場所に転がる謎。

さらに江戸御庭番の名無しの権兵衛も死体で発見された。


謎は謎のまま残る。



夜、きくゑは大坂城代の松平を訪ねた。

天井裏から話しかける。

きくゑ『殿、月影が死にました』


松平「おぬしは?」


きくゑ『犬影』


松平「跡継ぎか?」


きくゑ『いえ、僭越ながらご命には応えられませぬ』


松平「そうか、東町奉行所には御庭番御用達が多く居る、気を付けるが良い」


大坂東町奉行所は江戸同様腐敗している。

月影として天誅を下す先は決まった。

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