第7話 落としたスマホ 七
「はあ…。」
それと同時に、俺は深いため息をつく。
今日は勉強をやる気がしない。それに、こんな精神状態で勉強をしても、絶対に身には入らない。かといって勉強をするふりをしてスマホをいじると、ものすごい罪悪感に苛まれる。(この辺り、俺は根は真面目なんだろうか?)
というわけで一応数Ⅲの参考書と問題集を開いてみたが、…さっぱり分からない。それは、俺の精神状態からくるものだけでなく、そもそも内容が難しいからだ…俺はそのこと、自分にはそこまでの学力がないことを、自分自身で理解している。
(ちなみにその参考書と問題集は教科書よりもレベルが高いもので、その問題には難関国立大学や医学部の入試で実際に出題されたものも含まれている。…特に数Ⅲに関して言えば、俺は教科書の内容は理解することができるが、その手のレベルの高い問題となるとさっぱり分からない。やはり、俺は「そこそこできる子」ではあるが、「学年トップクラスのできる子」ではないのかもしれない。)
俺はその後、自分の劣等感の原因物質のその参考書・問題集を閉じ、先に得意の英語の勉強から始めるため、単語帳を開いた。
(それも教科書レベルよりもう少し高いレベルの単語帳で、科学的な専門用語の単語なども掲載されていたが、不思議と俺はそれらの単語は覚えることができた。また俺は国語もどちらかというと得意で、俺には文系の方が理系、医学部よりも合っているんじゃないか?また今から文転すると、偏差値は今よりアップするんじゃないか?といらぬ思考を持ってしまうほどであった。)
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