第6話 落としたスマホ 六

 その時の自分の顔を鏡で見たら、どんな顔をしていただろうか?自分の本心を押し殺した醜い顔?いや、少なくとも俺の両親は、そんな俺の本心を見抜いてはいなかったので、「優等生」の顔を作ることができていたのだろうか?

 「ごちそうさま。とりあえず、部屋で勉強してくるよ。」

「そうか。頑張れよ正人。」

「頑張ってね。」

俺はそう声に出し、2階にある自分の部屋へと向かう。

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