第32話 廃墟1
そこはどこまでも続く廃墟だった。
傾いているビルや建物の外壁など、見るも無惨なほどに錆びている。
感じたことのない足の感覚が気になって視線を落とせば、地面は砂と錆びた金属の粒子らしきもので敷き詰められていた。
乾いた風に吹き付けられ、顔を覆い隠すように正面に向き変えると、太陽が見えた。くすんだ橙色が視界をぼやけさせているのか、はっきりとは見えない。
歩を進めると、やはり砂だけとは思えない金属の擦れる音が混じっている。
足下だけ見て進むのは危険と判断し、古びたゴーグルを着用する。
前を向けるだけマシになったが、もともと視認性の低い状況でさらに視界を悪くする要素を加えたため、太陽はでたらめに光を放っているようになってしまった。
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