第31話 地元でお祭りが開かれる幕張メッセの待機列に並んでいる
お祭りを外から眺めてみたシリーズ最終章。
幕張メッセで開かれていたゲームのお祭り待機状態を描写できるか?
実験します。
2階にある『エスプラネード』(英訳のままのようです)と呼ばれる場所で、待つことになります。エスプラネード……『海岸や湖畔・河畔の遊歩道、ドライブウエーなどの平坦な道。』Weblio辞書より。
お祭りをやるのは1階から2階というか天井まで使った広いホールですので、今回は関係ないです。
* * *
深夜0時を過ぎた頃に、おれと友人の2人は現地入りした。
場所は幕張メッセ、国際展示場9-11のエスプラネードだ。
10時間後の午前10時からゲームのお祭りが行われるのだ。
常連なので何度も来ているけれど、わくわく感は衰えない。
特に今回は並んだ時間が時間ということもあり、言葉に出来ない胸の高鳴りがある。大抵は早くても午前6時や7時に現地入りだ。今回はどうしてもやりたい新作ゲーム目当てで、自分たちでも馬鹿だなと思う行動にでた。
もしや真っ暗な中で待たされるのでは、と思ったりもしたが。
橙色の常夜灯が照っていて、ほっとした。
並んでいる場所を軽く説明するとだな。
とにかく縦に長い直線。200メートルくらいはありそうで、幅も10メートルはあるんじゃないだろうか。
で、最上階の2階だ。つっても天井は呆れるほど高い。普通の建物なら、3階か4階まであってもおかしくはないだろう。ふくらんだように湾曲している天井の形がおもしろい。
左側面が壁になっているんだが、一部は開けていて、1階と結ぶエスカレーターが設置されている。1階まで降りるといろんな企業が展示しているゲームを見たり遊んだりできるというわけ。
まあそんな妄想は数時間後に取っておくとして。
待機列のある2階の右側はガラス張り。いまは夜なので、街灯だったり、ホテルの灯りが見えるだけで真っ暗だ。これが朝になれば緑豊かな木々や、よくわからんモニュメントが見えるのだが。
おれたちの他にも並んでいるやつらはいる。
いったいいつからいるのやら驚くというか感心するというか。
深夜なので、声を上げてはしゃぐやつはいない。
黙々とゲームに没頭する。その集中力と、身体にまとう気迫は、修行僧のようにも見えてしまう。
午前1時ごろ。
まだおれたちを含めて並んでいる人数は20人ほど。
それでも、それぞれが開場を待ちわびて脳内を興奮物質で満たしていることはわかる。同類だから伝わってくる。
わかる人にはきっとわかる。
これがおれたちのお祭りだ!
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